2014年 ザ・メモリアルトーナメント

キーガン“ママのひと言”でアンカーリング卒業を決意

2014/05/30 12:54
アンカーリングしないパッティングスタイルで、67を叩き出したキーガン・ブラッドリー

オハイオ州にあるミュアフィールドビレッジGCで開幕した「ザ・メモリアルトーナメント」初日、5バーディノーボギーの「67」でラウンドしたキーガン・ブラッドリーは、首位と4打差の5位タイ発進。だがこの好スタートは、本人の望みとは裏腹に、大いに注目を集める結果となってしまった。

「最高のシナリオは、この週をうまくやり過ごして、もし来週、元のベリー・パターに戻すことがあったとしても、その理由を説明しないで済むっていうことだったんだ」。そう、初めて中長尺パターでメジャー大会(2011年・全米プロ)を制したブラッドリーが、今週はアンカーリングしないパターで、初日27パットを記録したのだ。

通常のパターに戻すきっかけとなったのは、母親のひと言だったという。「本当にパッティングがひどくて、バイロンネルソン(選手権)の結果(29位タイ)にひどくがっかりしていたんだ」とブラッドリー。そんな彼に母親が切り出した。「ちょっと言いたいことがあるの。多分、気に入らないと思うんだけど…」。「言ってごらんよ」とブラッドリー。

「私はね、短いパターを使った方がいいと思うの」。

気落ちしていたブラッドリーにとっては、新しい挑戦が向上心をかき立てたという。先週は親友である元バスケットボール選手のマイケル・ジョーダンと36ホールのラウンドをして、今週に入りブレンダン・スティールとも大会コースをラウンドした。「感触は良かったんだ。やらない理由はないと思った」。出来れば、誰にも気付かれずに…。

パターのヘッド(オデッセイ・ホワイトホットXGセイバートゥース)もその重さ(400グラム)も、シャフトも、フェース面のインサートもこれまで使っていた中尺モデルと同じもの。だが、シャフトの長さは46.5インチから41インチへと短くなり、グリップにはバランスを取るために40グラムのおもりをつけた。

「良い点はグリーン上でよりタッチを出せるようになったこと」とブラッドリー。「こういうコースやオーガスタ、メジャー大会ではもう少しタッチを出すことが必要だと思っていた。より優しく打てるようになったことはプラスだね」。その一方で、「悪い点は単純だけど、みんなが見ていると意識してしまうこと」と顔をしかめた。

アンカーリングの禁止は16年1月から。一時は禁止反対の先頭に立って声を上げていたブラッドリーだが、その転身は華麗だった。(オハイオ州ダブリン/今岡涼太)

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