マイク・ウィア、世界ランク605位から優勝なるか?
今週月曜日に44歳の誕生日を迎えたマイク・ウィア(カナダ)は、2003年にレフティとして初めて「マスターズ」を制したメジャーチャンピオン。だが、10年に右肘靱帯の一部を断裂し、ツアーデビューの1998年から守り続けてきた賞金シードを失うと、怪我から復帰した2011年後半から13年前半にかけては、14試合連続予選落ちという苦しみも味わった。
一時は世界ランク3位にまで上り詰めたが、現在はなんと605位まで順位を下げた。直近の優勝は07年の「フライズエレクトロニクスオープン(現:フライズドットコムオープン)」で、トップ10フィニッシュも10年の「ヒュマナチャレンジ」まで4年以上も遡ることになる。そのウィアが、今週の「HPバイロン・ネルソン選手権」で3日目を終えて、首位と1打差の3位タイにつけている。
「予選ラウンドと同じく、アイアンショットがとても良かった」とウィアは言う。「沢山のショットをピンに絡めて、ほとんどのパットを沈められた。それが良かったね」。
ドライバーの平均飛距離は270.5ヤードで、ツアーでも197位と飛ばない選手に分類される。「他の選手みたいにぶっ飛ばすことはないし、林越えのショートカットをしたり、パー5で2オンさせたりするなんてことはできない。それは僕のゲームじゃない」。だから、と続ける。「言い古された言葉なのは知っているけど、他の選手のプレーは気にしないことにしているんだ」。
同胞のグラハム・デラエも3日目を終えて首位と2打差の6位タイにつけているが、ウィア(もしくはデラエ)の勝利は、カナダにとっても09年に「チルドレンミラクルネットワーク」を勝利したスティーブン・エイムズ以来、5年ぶりのこととなる。
明日の最終日、ウィアはパトレイグ・ハリントン(アイルランド)と最終組の2組前をラウンドする。ハリントンも08年以来の優勝を目指す歴代メジャーチャンピオンの1人。渋い2人のペアリングは、往年のゴルフファンならずとも必見だ。(テキサス州ダラス/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka