ポールターが松山英樹に過激すぎる? 教育的指導
イアン・ポールター(イングランド)は、ファッショナブルでマッチプレー巧者といったイメージがある一方で、その歯に衣着せぬ発言が絶えず注目されている。自身のSNSでの投稿がコース内外で物議を醸すことも珍しくない。今週フロリダ州のトランプナショナルドラールで開催中の「WGCキャデラック選手権」で、松山英樹の行動が“標的”となり、厳しく非難された。
ポールターは2日目のラウンドを終えた夜、ツイッターで「明日はマツヤマとの(同組で)プレーだ。彼は(今日の)13番でホールから5フィートのところに、パターでクレーター(くぼみ)を作った。彼が直さなかったから、競技委員を呼んで直さなくてはいけなかった」と投稿した。
ポールターが指摘したのは前日第2ラウンドの13番パー3。松山はバンカーのアゴに張り付いたボールを第2打でピンそばに寄せたが、続くパットを外してボギーとしていた。悔しさの中、パターでグリーンを軽く叩いた際に、“傷痕”が残っていたようだ。
その後ろの組でプレーし、ティグラウンドでその様子を見ていたポールター。その後のプレーで実際には自身のラインではなく、同組でプレーしていたチャール・シュワルツェル(南アフリカ)のパットにかかっていたが、ツイッター上で「何でマツヤマは他の選手もパットをするグリーンにくぼみを残したままだったのか」と続け、「Idiot(バカだ)」と過激に付け加えた。
投稿翌日の3日目は現地メディアを交えた騒ぎになり、会場内のメディアセンターの大画面などではリプレー映像も流された。しかしそれよりも前に、関係者から情報を耳にしていた松山は行動を開始。スタート1時間前の午前10時15分、先にドライビングレンジでショット練習をしていたが、ポールターが登場するとすぐに、通訳を伴って彼の下へ歩み寄り、帽子を取って謝罪。握手を交わしたその後はシュワルツェルと、もう一人の同伴競技者だったジェイソン・ダフナーにも頭を下げた。
「71」でプレーしたこの日のラウンド後、松山はこの騒動について「自分がやったことで、後ろの組に迷惑をかけた。反省しなくてはいけない。やってしまった後に、やっぱり直さなかった自分が悪い」と話した。
「自分の中で、グリーンがそんなに傷つくほどにやったつもりはなかった」という気持ちも口にしたが、「後ろの組がそう気づいたということは、間違いなくグリーンは傷ついていたはず。やらない(グリーンを傷つけない)のが一番だけど、直さなかったことがもっと悪い」と受け入れ、数多くの外国人記者に囲まれながらも、「反省」の二文字を繰り返した。
謝罪した先輩プロたちからは「誰だって、同じようにやってしまうことはある。でもやってしまった後には、修復をしなくてはいけないよ」と声をかけられた。そしてポールターもラウンド後はメディアに対し「彼はイイ奴で、素晴らしいゴルファーだ。僕に謝る必要はもうない。あとはチャール(シュワルツェル)との問題だろう?」と言い残し、“この件は終わり”と言わんばかりに、クラブハウスへと消えて行った。