2014年 ノーザントラストオープン

小春日和で飛ばし屋躍動! あの“リビエラ”でバッバ優勝

2014/02/17 12:37
持ち前の飛距離を生かし約2年ぶりの勝利を掴んだバッバ・ワトソン(Stephen Dunn/Getty Images)

あの日を最後に遠ざかっていた勝利は、爆発的な瞬発力で奪い去った。カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のリビエラCCで開催された米国男子ツアー「ノーザントラストオープン」を制したのはバッバ・ワトソン。2012年のメジャー「マスターズ」以来となるツアー通算5勝目を飾った。

予選ラウンドはカットラインにあと2打の通算1アンダー、40位タイで通過。終盤の失速で惜敗した2週前の「ウェイストマネジメントフェニックスオープン」以来のトーナメントは、前半2日間でダブルボギーを3つ記録するなど、低空飛行でハーフターンしていた。

ところが週末に入ると、ワトソンはムービングデーにノーボギーの「64」をマーク。そして最終日、6番で決めたバンカーからのチップインバーディを含め、前日と同じく7バーディ、ノーボギーの会心のプレーを見せた。「変えたところなんてほとんどないんだけど」と笑ったが、週末2日間でトップとの差8ストロークをひっくり返して約1年10ヶ月に及ぶ未勝利の時間にピリオドを打った。

表彰式ではアンジー夫人、そしてマスターズ制覇を成し遂げた同時期に、養子縁組したカレブくんも飛び入り参加。口の周りはチョコレートだらけ、もうすぐ2歳になる愛息を抱き上げ、感慨にふけった。「息子のことを考えると、2年近く経ったなんて思えないんだけどね。まだ歩けなかった時も昨日のことのようだし。今でこそ走り回ったり、おしゃべりしたり、チョコレートを食べたりもするけど」

ところで今週、大会前からリビエラで際立っていたのが、別の大会かと思うような朗らかなコンディションだった。この時期は雨風に苛まれ、日中に急激に冷え込むことも珍しくない。しかし今年はどうだ。4日間を通じてサザンカリフォルニアの柔らかな日差しが注ぎ込み、汗ばむほどの陽気に。さらに、例年とは比較にならないほどの短いラフで、広くチャレンジを待ち受ける芝は連日、ボールを軽々と走らせた。

「天候のせいか分からないけれど、今週のコースはラフがなかった。選手もラフをそこまで恐れることはなかっただろう」とワトソン。「アドバンテージがそんなにあるとは思わない」と言ったが、どちらかと言えば技巧派選手が歴代チャンピオンに並んでいたコースで、ツアー屈指のロングヒッター、ワトソンとダスティン・ジョンソンが1、2フィニッシュを決めたのは偶然じゃないだろう。

ちなみに、この最終ラウンドのドライビングディスタンスの1位、2位も同じ順番だった。セッティングの妙と、美しさに満ちた空が、彼らの強みを存分に引き出したに違いない。

2014年 ノーザントラストオープン