2021年 フォーティネット選手権

ノウスじゃなくてクノウス 31歳「ハードK」が優勝争い

2021/09/19 12:54
キャディさんともどもなかなか表情豊かです(Stan Badz/PGA TOUR)

◇米国男子◇フォーティネット選手権 3日目(18日)◇シルバラードリゾート&スパ (カリフォルニア州)◇7123yd(パー72)

「知る」は英語でknowであり、発音は「ノウ」であって「クノウ」ではない。knifeだって「ナイフ」だし、kneeだって「ニー」。”nの前のk”は発音しないのがフツウなはず…。ただ、彼の名前はちゃんと発声しよう。「Jim Knous=ジム・クノウス」と、はっきりと。

このムービングデーに突然「K」の発音が話題になったのは、3日目を終えて通算14アンダーの首位タイに立った彼が、そもそもPGAツアーでは無名といえる存在だったから。プロ転向した2012年から主戦場はしばらくミニツアー。16年以降、下部コーンフェリーツアーでプレーし、優勝がないまま18年に入れ替え戦でPGAツアーの限定的な出場権をつかんだが、シード獲得には至っていない。31歳にしてトップ10入りも過去に1度だけだ。

確かにツアーが発行するプロフィル中の発音ガイドにも「kuh-NOUSE」と明記されている。ニックネームは「ハード(Hard)K」という。「ちゃんとKを発音する」という意味も込めて、およそ9年前にミニツアーの試合会場で選手アナウンスを担当した友人に付けられた。「みんなそう呼んでくれる。気に入っているんだ」

2年前に右手首を手術し、昨年の夏に戦線復帰。いわゆる公傷制度で出場権をつないでいる身分で、同資格で参戦できる試合もあとわずかしかない。「気にならないと言えばうそになる」と緊張の一日を後押しするのは、今週送り出してくれた妻の言葉「ベストを尽くして」。PGAツアー唯一のトップ10は、2年前のこの大会で記録している。(カリフォルニア州ナパ/桂川洋一)

※編注:これまでジム・ノウスと表記してきましたが、本日よりジム・クノウスに改めました(スコアなどへの反映は20日以降となります)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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