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2020年 ザ・プレーヤーズ選手権(中止)
期間:03/12〜03/15 場所:TPCソーグラス(フロリダ州)

ピート・ダイが残したコースはビールの味? 松山英樹との相性は

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 事前情報(11日)◇TPCソーグラス(フロリダ州)◇7189yd(パー72)

ロリー・マキロイ(北アイルランド)に言わせると、今年1月に死去したコース設計家ピート・ダイ(享年94)によるデザインは「ビールの味わい」らしい。“第5のメジャー”のタイトルは今年も、米国のみならず日本でも多くのコースを手掛けた巨匠の代表作であるTPCソーグラスが舞台で争われる。

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もともとマキロイはダイ設計のコースが「嫌いだった」という。平面的にはボールを落とすエリアが見えにくく、隠れたトラップも多い。斬新なグリーンやハザードの形状だけではない、トリッキーなつくりを「なんとか好きになろうと自分に言い聞かせていた」時期があった。

コメンテーターを務めるプロ、レックス倉本は「ダイのコースは視覚的にゴルファーを惑わせる」と解説する。フェアウェイもハザードもティイングエリアに対して真っすぐでなく、斜めに横切るホールが多数ある。「ボールの落としどころは40ydくらいの幅はあるのですが、それがほかの多くのコースのようにティの正面にひろがるのではなく点在している。風が吹けばそのターゲットも狭くなる」。ソーグラスはその典型で、平面的には狙うべきポイントを絞りにくく、イメージを膨らませる作業がその都度必要。「それがボディーブローのように効いてきて、18番を終えるころには頭がヘロヘロに…」

当地で初めて大会が行われた1982年のエピソードが有名だ。優勝したジェリー・ペイトはPGAツアーの肝いりでつくられたこのソーグラスのあまりの難しさに精神的に疲弊し、苦しさから解放された喜びもあって、ダイと当時のコミッショナー、ディーン・ビーマンを18番グリーン脇の池に突き落とし、続いて自分もダイブした。

そんなコースの攻略をするにあたり、マキロイのターニングポイントになったのは2010年、ダイ設計のウィスコンシン州ウィスリングストレイツで行われた「全米プロ」だった。大会を1打差の3位で終えてから好印象を持つと、「キアワアイランド(2012年全米プロ)、クルキッドスティック(同年BMW選手権)、そしてここで勝ってからは大好きになった」と苦手意識を払しょくした。「(ダイのコースは)たとえるなら、だんだん馴染んで好きになる味、若い頃に飲むビールみたいなもの。はじめは美味しくないけど、カッコつけて飲んでいるうちに、だんだん好きになる」―――

さて、マキロイの言葉を引き合いに出せば、松山英樹はまだビールの“苦味成分”をはっきりさせたわけではなさそう。「そこまで多くの(ダイ設計の)ゴルフ場を回っていないと思うので、まあ、なんとも言えないですね。(数をこなせば)トータルでここがピート・ダイのつくりなんだというのはわかると思うけど、今はまだ…。でも、とりあえず難しいことはわかる(笑)」

松山の米ツアー5勝のなかに巨匠が設計したコースでの勝利はない。ただし、ソーグラスでは過去6年で18年の予選落ちを除いてすべてトップ25入り。16年に7位、19年に8位に入った。合計22ラウンドの平均スコア「70.73」は今大会の出場選手のうち4番目に優れた数字(ブライソン・デシャンボー/70.00=8ラウンド、トミー・フリートウッド/70.17=12ラウンド、アン・ビョンフン70.40=10ラウンド)。20ラウンド以上した選手のなかではトップにいる。(フロリダ州ジャクソンビル/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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