“全米女子オープン”初挑戦を終えた2人
予選2日間を終えて、上位60位タイまでが決勝進出を果たした「全米女子オープン」。ピート・ダイが設計した難コースを前に、世界の精鋭たちの平均スコアは75.961で、カットラインは5オーバー。首位はスーザン・ペターソンの5アンダーで、2日間をアンダーパーで回ったのは12人。決して超ロースコアという訳ではないが、平均スコア80オーバーの選手が25人居たというのも、また一つの事実だ。
日本ではなかなか味わえない舞台に挑戦した日本人選手の中で、地区予選を勝ち抜いて出場したのが、綾田紘子(24歳)と中山三奈(22歳)の2人。綾田はニュージャージーの地区予選のオルタネートで繰り上がり出場を果たし、中山はホノルルの予選会でトップ通過を果たした。
通算10オーバーで終えた綾田は、ホールアウト後は「悔しいのひとこと」と唇をかむ。周りの選手はあまり見ないように心がけ、練習ラウンドも横峯さくらとこなし、大会の雰囲気に飲まれることなく、緊張もさほどしなかったというが、「コースに気持ちが負けちゃった」と肩を落とす。
一方の中山は、初日に「78」をたたくと、宿舎に戻って悔し泣き。2日目は「77」と初日を1打上回ったが、「難しかった。まだまだ足りないところがたくさんあるし、課題も見つかった」と汗を拭った。
しかし、2人が得たものも大きかった。当初から海外志向の強い中山は、「世界を見られたし、一番はこの舞台を経験できたこと」と、目指すべき将来のビジョンがより明確になったと目を輝かせる。試合がなかったので、“たまたま目に入って”予選会を受験したという綾田も、「最初は英語が苦手だったけど、だんだん楽しくなってきた。またここに戻ってきたいし、QTも受けてみたい」と、前向きな刺激を受けた。
今、世界では韓国や台湾、中国、そしてわれわれ日本人といった多くのアジア人が活躍している。決して遠い世界ではないし、孤独を味わうこともないはずだ。世界を舞台に活躍する日本人選手が、これからもどんどん出てきてほしい。(ウィスコンシン州コーラー/今岡涼太)