2011年 全英リコー女子オープン

18番ホールで得た二つの教訓

2011/07/30 21:57
18番グリーン脇、ちょっとした騒動に巻き込まれたギャラリーの女の子

ツアー通算4勝のアンジェラ・スタンフォードだが、メジャータイトルとはいまだに縁がない。しかし、今年のカーヌスティGLで開催されている「全英リコー女子オープン」こそ、自分にとっての初メジャーにふさわしいと、彼女は強く信じているという。

米国テキサス州出身のアンジェラは、普段は同州フォートワースにあるシェイディオークスCCで練習を行っている。そこは、同じくテキサス出身のベン・ホーガンが創立メンバーという由緒あるクラブだ。

当然、1953年の全英オープンがそのインスピレーションの源となっている。大会2日目を首位と7打差、通算4アンダーの18位タイで終えたアンジェラは「ミスター・ホーガンが上から糸で操っている。そんな風に考えているの」と、打ち明けた。

そんなアンジェラだが、この日は18番ホールでちょっとしたトラブルに巻き込まれた。フェアウェイからの第2打を左に曲げると、その球は左サイドにあるOB境界のフェンスを越えた(かのように見えた)。ボランティアも、周りにいた誰もがOBだというので、アンジェラはその場でドロップして別の球を打ち直した。しかし、グリーン脇の最初の球が落ちた場所に行ってみると、その球はちょうどフェンスの真下、OB境界ギリギリのインバウンズに止まっていたのだ。

確かに球はセーフだった。しかし、別の球を打ち直したときに当然OBだと思い込んでいたアンジェラは、“暫定球”の宣言をしなかった。すると、最初の球がインバウンズにあったとしても、その球は放棄しなければならず、結局このアンジェラは4オン2パットでこのホールをダブルボギーとしてしまう。「フェンスの向こう側にいって、パターのトゥで打つことまで考えたわ。でも今となっては関係無いわね。今日は何かを学んだわ。常に暫定球を打つということを言った方が良さそうね」とアンジェラ。

こんな騒動の直前、フェンス際に止まっていたアンジェラの球を、ギャラリーの女の子がこつんと蹴り戻してしまった。これは周囲のギャラリーに見とがめられ、最初に球があった位置に戻されたのだが、この女の子は怖い競技委員のおじさんに諭されて、半ベソとなってしまった。写真はかわいそうなその光景・・・。

アンジェラも、ギャラリーの女の子にとっても、ほろ苦い学習の場となったこの日の18番ホールだった。(スコットランド・カーヌスティ/今岡涼太)

アンジェラ・スタンフォードとベン・ホーガンの件は他紙が詳しい。
http://www.golfweek.com/news/2011/jul/28/wright-recalls-hogans-carnoustie-victory-53/

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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