シャーミラ・ニコレット、インドゴルフの明るい未来
今年の「エビアンマスターズ」の会場で、ひときわ目を引く選手を発見した。ミニスカートから伸びるスラリと長い脚。175cmとモデルのような体形に、愛らしい笑顔が華を添える。インド出身のプロゴルファー、シャーミラ・ニコレットというのが彼女の名前だ。
3月に20歳になったばかりのシャーミラは、現在はアジアン女子ツアーを中心に活動している。ただ美人というだけではない。バスケットボール、テニス、水泳でも国を代表するレベルのアスリートだったが、11歳でゴルフを始め、12歳からはゴルフに集中するために他の一切の競技から手を引いた。そして今ではインドナンバーワンの女子ゴルファーとなっているのだ。
話を聞こうとして声を掛けると、気さくにOKしてくれた。2008年にはクイーンシリキットカップに出場するために来日し、日本も大のお気に入りだという。その時は英語を話す日本人がいなくて、とても困ったというのは余談だが・・・。
なぜゴルフを始めたのか?「ゴルフはとてもチャレンジング。メンタルが60%でフィジカルは40%でしょ。それに洋服や道具がとてもかわいらしい。インドではクリケットがとても人気だけど、ゴルフはそうでもないの。アージュン・アトワルがPGAツアーで勝ったように、私もLPGAツアーで活躍してインドゴルフを変えたいの」。その若い瞳は、希望の光に満ちあふれている。
主催者推薦で出場した今大会では、残念ながら予選落ちに終わってしまったが、初めての大舞台で得たものは大きいという。「この試合は今まで出場した中で一番大きな試合。たった一打で20位くらい順位が変わってしまうし、とても勉強になったわ。このトーナメントが好きだし、ピンクも好き。とても良い経験だったの」。
もしかしたら来年には日本ツアーのQTも受けるかもしれないというシャーミラ。スケールの大きなインド人ゴルファーの出現を知り、ゴルフの門戸が世界に向けて大きく開かれているんだなという印象がますます強まった。(フランス・エビアン/今岡涼太)