2011年 ウェグマンズLPGAチャンピオンシップ

史上最年少でメジャー4勝!新しいLPGAの顔となったヤニ・ツェン

2011/06/27 11:55
最終日は終始笑顔でラウンドを楽しんだヤニ・ツェン。2番手の影は見えない

「全米オープン」で22歳のロリー・マキロイが歴史的な優勝を飾った一週間後、「ウェグマンズLPGAチャンピオンシップ(全米女子プロ)」では、同じ22歳のヤニ・ツェンが、史上最年少でメジャー通算4勝目を達成した。この記録は、アニカ・ソレンスタムよりも、タイガー・ウッズよりも、そしてジャック・ニクラウスよりも早い偉業だ。

世界ランキング1位に君臨し、端から見ていても女子プロゴルファーの中では群を抜くスイングスピードと力強さがあり、小技も多彩で死角は見当たらない。テレビに出演したソレンスタムがヤニを称して“新しいLPGAの顔”と言ったのは、誇張ではない賛辞だろう。

そんなヤニもこの日の1番ホールは「とても緊張していた」と打ち明ける。ティショットを左に曲げてようやく1mのボギーパットを沈めたが、「手が震えていた」。それでも2番のバーディで立ち直ると、そこから3連続バーディ。ハーフターンでその差は10打差へと開くと、「20アンダーを目指そう」と新たな目標を設定して、さらにバーディを積み上げた。

今週は手をつけられない強さを見せたヤニだが、他の選手も黙っているわけにはいかない。宮里美香は「毎試合良いわけじゃないし、正直少しの差」と食い下がる。一方で有村智恵は「飛距離もあって曲がらなくなっているし、小技もうまい。そんな相手にどう勝負すれば良いのか・・・」と頭を悩ませるが、解決策はきっと見つかると信じたい。

「マスターズ」での失速を克服したマキロイのように、「クラフト~」での屈辱のリベンジを果たしたヤニは言う。「それが今週一週間やってきたこと。悪いショットを打ったら、それを忘れる。いつも次のショットのことを考える。もしボギーを打ったら、バーディを取り返そうと考える。できなかったら次のホールでそれをやる。それだけが私のできること」。

前へ前へ進んでいく。その先にはキャリアグランドスラムがあり、新しい記録がある。そんな先を見つめる意志が、今のヤニの強さなのだろう。【NY州ロチェスター/今岡涼太】

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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