米国女子ツアー

良郎氏が掴んだ全英攻略のキーポイントとは?

2006/08/05 12:00
ラフからのショットを再現しトライする。父・良郎氏のアドバイスを素直に聞き、すぐにこなしてしまうのが、さくらの凄い所だ

全英女子オープン第2ラウンド、2番でダブルボギーを叩きながらも、17番では2打目をピン側1メートルにつけてこの日3つ目のバーディを奪い、パープレーまで戻していた横峯さくら。しかし最終18番で、2打目をグリーン左のラフに外すと、アプローチが寄らずにボギーとしてしまう。この日73、2日間トータルで1オーバー。150名中17位タイ、日本人選手では最上位。だが横峯は、明らかに悔しそうな表情を浮かべていた。

「ローラは本当に上手いです」。同組で回った地元イングランドのローラ・デービースが、ラフやバンカーからリカバリーショットをピンに絡めてパーを拾っていく姿に驚いた。「私はまだまだ。80点ですね」

この日はセカンドでグリーンをオーバーすることが多かったが、キャディを務める父・良郎氏はこう分析する。「日本のグリーンは大体受けとるやろ。だから近く見えるんよ。でもここは、この景色と空で遠く見える。それなのに、グリーンが硬いからカチン(とはねて)、カン、カンでオーバーよ」

月・火は風雨の中でのラウンド。一転して昨日、今日と風はおさまり、コースはまた別の表情を見せた。「キャリーで飛ばすのか、低く打ってランを出すのか。硬さとはね具合が分かればいける」とリンクス攻略の糸口は掴んだようだ。

2日目終了後、誰もいなくなった練習場の隅で、ラフからのショットを練習する親子の姿があった。「そこから7番アイアンで打ってみい、18番のセカンドと同じよ」。何も言わずにショットをこなすさくら。「な、引っ掛けとるやろ」。だがすぐに、グッドショットが出るようになった。

「明日が楽しみ」。コーチ兼キャディの父はいう。一方のさくらも、イギリス入りしてから全くと言っていいほど気負いが感じられなかったが、実戦に入り、ようやく闘志に火がつきはじめたようだ。(編集部:今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka