2009年 全英リコー女子オープン

宮里藍の成長について

2009/08/02 06:41
外からは見えなくても、精神面も大きく成長している宮里藍

2週続けて優勝争いを繰り広げている宮里藍。端から見ても、安定したプレーと余裕のある振る舞いが現在の好調さを印象付ける。米ツアーでの初優勝まで4年間、宮里はここまでの道のりを一歩ずつ着実に歩んできた。

スランプを乗り越え、自分のコントロール出来ないもの(他の選手のスコア…ひいては勝ち負けや、天候、運不運など)に惑わされずに、自分が出来る目の前の1打に集中する。技術的なことと共に、宮里は精神面も強化してきた。

それは例えばどんなことか。「全英リコー女子オープン」2日目、宮里は14番でトリプルボギーを叩いてしまう。それを引き摺らず、気持ちを切り替えるのが大事なこと、というのは理解しやすい。宮里も同じことを考えたが、15番のティショットを打ち終えてもまだ、頭の中で懸命にその事の整理をつけようと格闘していた。

ホールアウト後、宮里はその事実についてメンタルコーチであるピアとリンに確認した。自分が15番のフェアウェイを歩いている姿が、2人の目に一体どう映ったかのかということを。ピアとリンは、「すごく自信がある歩き方に見えたし、色々考えているようには見えなかった」と答えたという。「前より気持ちの切り替えが早く出来ている。それが、セカンドショットに繋がったのだと思う」と宮里。

とても繊細な作業だが、そんな細かい確認を積み重ねて、少しずつ精神面を磨いてきた。初優勝までの4年間は必要な時間だったという宮里の言葉の意味が、少しだけ分かった気がした。

2009年 全英リコー女子オープン