これも実力か。再び出遅れたチーム・ジャパン
W杯女子ゴルフ初日。チーム・ジャパンは上田桃子が5オーバー、諸見里しのぶが6オーバーの通算11オーバー。首位パラグアイとは16打差、2位の韓国とも12打差の14位タイと大きく出遅れた。
練習ラウンドを見る限り、もっと良いスコアが出てもおかしくなかった。しかし、この日の諸見里はドライバーが絶不調で、ラフからのセカンドショットに苦労し、焦りからかグリーン上でも4パットや3パットのミスを犯した。一方の上田は、ショットの距離感を最後まで合わせることが出来ずに経験不足を露呈。2人揃って悪い部分が出てしまった。
2人のコーチである江連氏はこう振り返る。「悪いほうの実力が出てしまった。正直言って、この結果をしっかり受け止めないといけない。これを防ぐために練習してきているのに、まだ防げないものを隠し持っていた。試合になったら気合が入って飛距離も変わってくるって口をすっぱくして言っているのに、選手たちはそれを想定した練習をしていなかった」。
さらに諸見里については、「火・水は良かったから、しのぶについては安心していた。でも、今日は何をやっても自信がない感じで、振っても力が入らない。トレーナーをつけて毎日クールダウンやマッサージも行っているので、体調が悪いわけがない。気負いすぎなのか、責任感が強すぎるのか・・どうやっても扱えない」と、なかばお手上げ状態だ。
一緒にラウンドしたオーストラリアチームが、前半大きく出遅れたものの、後半巻き返して4オーバーの6位タイに入ったのとは対照的に、日本は崩れだしたら止める事が出来なかった。ラウンド中盤、それぞれの選手が落胆の表情を浮かべ、うつむきながら次のティグランドへ向かう光景ばかりが目に付いた。気持ちの切り替えと前向きな思考。まだまだ、日本選手が学ぶべき事は多い。
江連氏からは、後半よく声が出ていたし雰囲気に飲まれていないのは上田の方だから、明日は上田をリーダーにすると、急遽リーダー交代宣言まで飛び出した。「明日は、桃子の(クリーク越えした)17番のティショットみたいに、見ていてわくわくするようなゴルフをさせたい」。残り2日間はフォアサムとフォアボール。チームワークの良さを生かした好プレーを期待したい。
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka