米国女子ツアーが目指す国際化路線の結末は?
今週の開幕前に、LPGA(米国女子ツアー)から1枚のプレスリリースが配られた。「LPGAにおける韓国人プレーヤーの歴史」と題されたその書類には、1985年から今年までのLPGAツアーにおける韓国人選手の数、外国人プレーヤーに占める割合、そして勝利数がまとめられている。
1997年には0人だった韓国人プレーヤーだが、翌1998年に朴セリが参戦すると、そこから急激に増え始める。2001年に10人、2004年に21人と増え続け、2008年には45人という大所帯になった。
LPGAの国際化路線は着実に進行している。今週のSBS(Seoul Broadcasting system)オープンは韓国系のスポンサーだし、来週のフィールズオープンは日本企業、他にもシンガポール、メキシコ、韓国、日本、カナダ、フランス、イギリスでそれぞれ大会が開催される。
そして、大きなポテンシャルを秘めた中国からも今年初めてLPGAのツアーメンバーが誕生した。昨年のQスクールを9位タイで通過した18歳のシャンシャン・フェン(写真)は、中国アマチュア選手権を04年から06年まで3連覇、06年には中国女子アマオープン選手権を制するなど、若くして数々のアマチュアタイトルを獲得した逸材だ。この一人の選手が開く扉が、数年後には韓国人プレーヤーに負けない中国人プレーヤーを生んでいる可能性は低くない。
現在は活況を呈している日本の国内女子ツアーだが、オーストラリアとの共同開催を目指した「オーストラリアン・オープン」が開催中止になるなど、決して楽観的な状況ではない。このグローバル化の波に乗り遅れないように、選手も協会も心して準備しておく必要があるだろう。(編集部:今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka