世界は目の前!?開幕2戦を終えた上田の手応え
米国女子ツアー第2戦「フィールズオープン」では、最終日の15番までに7つのバーディを奪ってトップ5に迫る通算9アンダーまで浮上、上がり3ホールで手痛いミスを犯したものの、初戦に続いて米ツアーでも十分戦えることを証明した上田桃子。開幕前は、準備不足の不安をちらつかせていたが、ふたを開けてみれば昨年終盤の勢いはそのままだ。
トリプルボギーを叩いた18番は、「練習ラウンドの時は、芝がきつくなくて大丈夫だった。近くまで行った方がバーディを狙える」というドライバーでのティショット、「(左の池を避けて花道方向の)右を向いていたんだけど」という9Iでのセカンドショットともに、“らしくない”マネジメントミスだった。
悔しくない訳がない。優勝したポーラ・クリーマーは、上がり5ホールで4つのバーディを奪ってジャン・ジョンに競り勝っている。サンデーバック9の大切さは、ソレンスタムと最終組を回った開幕戦でも痛感した。それまでのゴルフが完璧だっただけに、上田のショックも大きかったはずだ。
「少しずつ疲れてきている」という体力的な消耗も、ミスを生む原因に違いない。WGCアクセンチュア・マッチプレーで圧勝したタイガー・ウッズは、決勝の36ホールを前に、「こういう時の為にトレーニングをしているから、体力的には全く問題ない」と言い切ったが、だからこそ世界ナンバーワンでいられるのだ。
次戦「HSBC女子チャンピオンズ」が行われるシンガポールへは、日曜日にハワイを出て、成田経由で月曜深夜に入るという丸1日かかる長旅だ。そうして、火曜日から高温多湿の中で練習ラウンドと、体力的に厳しい戦いは続いていく。
ハワイ出発前夜、ワイキキ市内の焼肉屋で食事したチーム桃子御一行。上田の傷心を心配したが、帰り際に壁に書かれたサインを見て安心した。「上田桃子参上!!世界とるで!!」今の上田には、体力を補って余りある気持ちの強さがある。(編集部:今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka