米国女子ツアー

米女子ツアーで進むドーピング検査

2008/04/04 16:41
検査用キットを手に、手続きについて説明するDrug Free Sportのスタッフ

米国プロゴルフ界では、男子ツアーより先に女子ツアーでドーピング検査が始まった。今年2月に行われたフィールズオープンでは、上田桃子も早速抜き打ち検査を受けるなど、それは着々と実施されている。

この検査の目的は、競技の公平性の確保と、選手の健康への障害となる薬物の阻止という大義名分がある。しかし、制度の手続きや禁止薬物リストについては、選手、メディアなどの理解は完全とは言い難いだろう。なにより、その手続きは複雑だ。

この制度の仕組みについての理解を深めるために、LPGAは「クラフトナビスコ選手権」開幕前の水曜日、メディア向けの説明会を実施した。この会には、選手から採取したサンプル検査を委託されているDrug Free Sports社の副社長と、LPGAのスタッフが説明役となり、実際のサンプル採取から検査までの流れをデモンストレーションしてくれた。

万が一、禁止薬物の使用が発覚したときは、1回目は1年間の資格停止、2回目は2年間の資格停止と会員資格の剥奪、そして3回目は永久追放となり、もちろん当該トーナメントでの賞金は没収される。選手生命を左右する事態だけに、関係者の深い理解は必須だろう。

07年に不調に陥ったアニカ・ソレンスタムは、08年から実施されるドーピング検査のために薬を抜いているから不調なのだという噂もまことしやかに囁かれたが、今年に入って、「そういうことを言われるのは私の体にとって光栄なこと」と切り返した。今後は日本にも広まってくるであろうドーピング検査だが、まずは米国女子ツアーがその先陣を切っている。(編集部:今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka