グローバルかローカルか?揺れる米国女子ツアー
今季限りで現役引退を表明しているアニカ・ソレンスタムにとっては、15回目の挑戦となる今回が最後の「全米女子オープン」となる。振り返れば、ツアー初優勝は1995年の同大会。その年に初めて賞金女王のタイトルも獲得し、ソレンスタム時代が幕を開けた。
それから現在に至るまで、米国女子ツアーは大きな変貌を遂げてきた。多くの外国人プレーヤーがツアーに参加し、その結果、賞金女王は1993年のベッツィー・キング、またプレーヤー・オブ・ザ・イヤーは、1994年のベス・ダニエルを最後に、アメリカ人としてこのタイトルを獲得した選手は出ていない。
今年の「全米女子オープン」を見てみても、上位を占めるのは韓国を筆頭にしたアジア勢、それに北欧のスウェーデンやフィンランド、ブラジル、オーストラリアなど多国籍に渡っている。大会2日目に暫定首位に立ったアンジェラ・パークは、この点について、「インターナショナルプレーヤーは数が多いし、アメリカ選手より強いとは思わない。でも、海外に来て、一生懸命練習していることは確か」と証言する。
「この地でゲームを発展させていく為にはどうすれば良いか、システムを見つめなおす良い時期だと思う」と言うのはソレンスタム。「ジュニアが試合に出るチャンスが必要。私達は未来のスターを作っていかなくてはならない。グローバルツアーも良いけれど、アメリカ選手を持つことも重要」と、自国の選手枠という考え方も示唆する。
日本では、宮里藍や上田桃子などの人気選手がアメリカに渡り、韓国や中国など他のアジア諸国の選手達が活躍を始めている。アメリカツアーのように、15年も日本人の賞金女王が出なかったら、日本ツアーは一体どうなるだろう?我々も自国のツアーを守り、盛り上げていく為にどうすべきか、真剣に考える必要がありそうだ。(編集部:今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka