米国女子ツアー

偉大なる先輩・朴セリに続いたインビー・パーク

2008/07/01 10:39
史上5人目となる全米ガールズジュニアと全米女子オープンの2冠を達成したインビー・パーク

今からちょうど10年前の1998年、韓国人が深夜のテレビにかじりついて観ていた「全米女子オープン」。画面の中では、その年に米女子ツアーにデビューしたばかりの弱冠20歳の朴セリが、大会史上最年少優勝と、韓国人として初のビッグタイトル獲得に向け、プレーオフを戦っていた。

ソウル五輪を直前に控えた1988年7月にソウル近郊で産声を上げたインビー・パーク。深夜に歓声を上げる両親の声に起こされ、一緒にテレビを見ていたというのはインビーが10歳の時だ。「小さい子供にとってはとても印象的で、ただ画面の中の彼女(朴セリ)を見つめていた」という。20ホールに及ぶプレーオフを制して、朴セリが歴史的な優勝を飾った2日後、「私にも出来る!」と、インビーは生まれて初めてゴルフクラブを手にした。

現在の米国女子ツアーで活躍する韓国人選手で1988年生まれは多い。申智愛、アンジェラ・パーク、S-H.キム、I-K.キム…。多くの選手が、朴セリの影響を受けてプロを目指した。今年は朴セリの全米女子オープン制覇から10周年。その大会で、インビーがツアー初優勝をメジャータイトルで飾り、さらに朴セリの大会史上最年少優勝記録を塗り替えたのは、感慨深い。

インビーは12歳でアメリカに移り住んだ。自国を離れてゴルフをする上で重要なことは、第一に言葉に慣れること。「でも、アメリカの学校に通ったので、その分少し楽だった。それは大きな助けになっていると思う」と、流暢な英語で話す。

宮里の米ツアー挑戦は3年目。上田はまだルーキーイヤーだ。幼い頃からこの国で生活している選手達とは、明らかに経験値が違う。それでも、それをハンデと思わず、なにくそと糧にして突き進めば、新しい歴史を作ることは出来るはず。ヤニ・ツェン、インビー・パークとアジアの若手がメジャー2連勝を飾っているだけに、次こそは日本人選手!と思ってしまう。(編集部:今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka