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室田淳がレギュラーツアー引退宣言 シニア日本一が描く新構想

「僕はもう今年でレギュラーツアーは引退しようと思っている」

福岡県で開催された「第23回日本シニアオープンゴルフ選手権競技」の優勝会見。大会2度目の制覇を果たして、シニアメジャーの通算勝利数も「3」に伸ばし、名実ともに国内シニアの第一人者であることを証明した室田淳は、冗談とも本気ともつかない決断を唐突に明かした。

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58歳にしてなお、レギュラーツアーと国内シニアツアーの二足の草鞋(わらじ)で頑張る室田は、今季のレギュラーツアーに14戦出場。最高順位は「フジサンケイクラシック」の12位タイで、予選落ちが5試合、棄権1試合。若手と十分に渡りあっているといえる成績を残している。8月のレギュラーツアー「関西オープン」から今週まで実に11連戦。そんな選手は今大会中もちろんただ1人。それで勝つのだからタフさは人一倍だ。

「今の若い選手は感性がある。簡単にバーディを獲るから腹が立つ」とぼやいて、後輩たちに体力的にかなわない部分は認めつつ、刺激も受けて、シニアツアーでの活躍につなげてきた。レギュラーツアーでふだんから飛距離などで不利にさらされているからこそ、体力的なビハインドがないシニアツアーの中ではその強さも際立つ。

実際に会見では、「プロの世界では、ビッグタイトルのかかる大会で2度勝てるってことは強さの証明だからね」と自負する言葉も飛び出した。

強さの原動力となっている”二足の草鞋”の相乗効果は、十分に承知しているはずなのに、なぜレギュラーツアーを引退するのか? 報道陣からの質問には「これからはシニアに専念して、地方を回って、もっとシニアツアーを盛り上げていきたいね」と構想を明かした。

「僕のモチベーションは賞金王になることではない。シニアツアーを盛り上げるために優勝争いに残ること、それが使命だと思っているよ。青木功中嶋常幸というビッグネームたちがそうしてきたようにね」。

刑事ドラマにも出ていそうな風貌もあってか、シニアツアーでも周囲の選手から“ボス”と一目を置かれている。2005年のシニアツアー参戦から、節目となる10勝目を飾り、シニアの第一人者としての使命感も増してきたのだろう。「55歳くらいまではレギュラーでの優勝も考えたていたけど、やっぱり難しいと分かったし」と、年を経るごとに重みを増してきたであろうレギュラーツアーでの実感も漏らした。

自分のすべきこと、次なる目標は明確に見えている。隠居? いや、より良い現役生活を全うするための新たなアイデアが頭にあふれているのだと思う。(福岡県桂川町/糸井順子)

糸井順子(いといじゅんこ) プロフィール

某自動車メーカーに勤務後、GDOに入社。ニュースグループで約7年間、全国を飛びまわったのち、現在は社内で月金OLを謳歌中。趣味は茶道、華道、料理、ヨガ。特技は巻き髪。チャームポイントは片えくぼ。今年のモットーは、『おしとやかに、丁寧に』。

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2013年 第23回日本シニアオープンゴルフ選手権競技



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