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国内女子ゴルフ 若手の台頭とキャリアのピークを探る

■世代交代の波

プロでのわずかなステップ期間を経て、彼女たちはツアーに押し寄せる波のようになった。

日本の女子ゴルフ界は、確実に世代交代が進んでいる。今季シード選手の平均年齢は史上最年少の26.4歳。“黄金世代”と呼ばれる1998年度生まれの勝みなみたちがその中心だ。2年前の夏、プロになったばかりだが、すでにツアーの中核を担っている。

3週間前の「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」で勝が今季2勝目、2週間前の「リゾートトラスト レディス」は同学年の原英莉花が初優勝。5月のメジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」では世代内で注目度の高くなかった渋野日向子が初優勝を飾った。今季14戦中、5勝がこの世代。海外勢が4勝のため、日本の先輩プロたちと同じ勝利数を誇る。最近の女子ゴルフの話題は『黄金世代』を中心に回っているように見える。

今季勝利はないが、新垣比菜小祝さくらら有望選手が多いのは、事実だ。1学年上の松田鈴英も2017年のプロテスト合格組。弱冠20、21歳の彼女たちが、キャリアのピークを迎えたら―。さらに下の世代の突き上げもある。数年で現在のツアーの勢力図は、完全に変わるように思える。

ただひとつ疑問なのは、女子ゴルファーのキャリアのピークはいつ頃かということ。男子選手と比較し、選手生命やトップフォームでいる期間は決して長くない、というのが一般的な見方だ。ゴルフは、肉体的な充実だけで必ずしも結果は出ない。心と体のバランスがとれ、なおかつ試合で生きる経験を重ねた時期。“人それぞれ”という前提の上で取材した。

■年齢とも戦う数年前の主役

2015、16年賞金女王で30歳のイ・ボミ(韓国)は昨季、11年に国内ツアーに参戦して以来初めて賞金シードを逃した。16年に取得した3年シード最終年の権利で今季出場権を持つが、賞金ランクは76位。

本人が成績低下の原因を安易に年齢だけに限ることはないが、体の変化は確かに起きている。視力が両目で0.6ほどに低下。10年近く前にレーシックの手術を受けた影響も疑うが、グリーン上のライン読みに苦労するため、近々検査したり、コンタクトを作りにいくつもりだという。

イの専属の渡辺吾児也(あるや)トレーナーは、「人それぞれではあるけど、30歳前後で体の変化はあるはず。そしてそれは男性ともまた異なるものだと思う。その変化を受け入れながら、自分(のゴルフ)も少しずつ変わっていくことが必要。その部分は、女性アスリートの難しさでもある」。多くのトレーナーが、同様の認識だった。

■ベテランたちの全盛期は…「いま」と「これから」

前週の「ヨネックスレディスゴルフトーナメント」2日目には、32歳の上田桃子に失礼を承知で聞いた。「総合的にキャリアのピークはいつだったか」。07年に21歳で賞金女王になった頃か、米ツアーを主戦場にした頃か、国内ツアーに戻り復活優勝を挙げた時か。上田は数秒考え、「いまだ、と思っている」と言った。

「確かに若いうちは、根拠のない自信を持ちながら勢いがあった。それがなくなって、自分の技術や精神面を鍛えて。体的には若い時には確かに勝てないけど、ゴルフはそれだけじゃない。いろいろなことを経験したいまだから、きっと若い時よりも成長できていると思う」

現在は出場数を絞りながら、出場試合で確実に好成績を狙っていくスタイル。実際4試合をスキップした今季は5度のトップ10で、最も悪くて37位。視力の低下など、肉体的な変化は実感するが、「30歳を過ぎて、正直いろいろと変わっているのは確か。難しいなと思う部分は、もちろんたくさんある。ただ、最近はラウンド中に少し自分を褒めるようにもしている。出来なかったことよりも出来たことに目を向けたり。自分をコントロールする。経験が生きることは、技術以外にもたくさんあるはず」

前年の「ヨネックスレディス」を制した42歳の大山志保は、30歳を過ぎてから明らかに故障が増えたという。実際18年5月まで、頸椎椎間板ヘルニアで8カ月離脱した。それ以外にも故障で離脱することがあり、万全な状態で試合に臨むことは限りなく少なくなったという。

ただ、06年の賞金女王もキャリアのピークを「難しい。でも、答えが出ないんだから、きっとまだ迎えていないんだと思う」と表現した。「私は絶対にこれからだと思う。いまは悪いけど、きっとまた良くなる。スイングもまだイメージ通りにいかない。それが出来るようになれば、活躍できる。そうしなきゃいけないと思っている」と熱を込めた。

■優勝後、上田桃子は「きのうまた考えた。限界さえ決めなければ…」

「ヨネックスレディス」は、最終日に19歳の石井理緒キム・ヒョージュ(韓国)を逆転した上田が、2位に6打差をつける圧勝劇で幕を閉じた。

試合後、改めて上田に言われた。「きのう選手のピークのことを聞かれた後、『いまって言ったけど、実際本当はいつだっただろう』ってちょっと考えてみた」

「私が優勝するときって、これまで接戦がほとんどだった。でも今回は、これだけ大差をつけた。たしかに(年を重ね)難しいことは増えている。でもきょうを終えて『やっぱり、いまだなって』って言える。私も大山さんを見て年齢は関係ないって思えた。ケガとかはあるけど、限界さえ自分で作らなければ、きっとゴルフは年が経つほどにうまくなっていける」

歩みさえ止めなければ、過去の栄光も挫折もすべて、いまや未来への過程になる。

ツアー会場では若い声がよく響くようになった。それでも、きょうもキャリアのピークを求め続けるベテランたちがいる。(編集部・林洋平)

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林洋平(はやしようへい) プロフィール

1991年、横浜市生まれ、A型。大学卒業後の2015年にGDO入社。チーム内では最年少。トーナメント取材に行くが、自身のプレーは勉強中。当面の目標はドライバーをスライスさせないこと。大のビール党で、出張先の名物で晩酌するのが、ささやかな楽しみ。

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