2012年 meijiカップ

諸見里しのぶが敗戦で得たもの

2012/08/05 18:08
惜しくも3年ぶりの優勝は逃したものの、「自信になりました」と晴れやかな笑顔で最終日を終えた

北海道の札幌国際カントリークラブで開催された「meijiカップ」最終日は、首位に3選手が並び、勝敗の行方はプレーオフに持ち越される混戦模様を呈した。

「空回りしても思い切り攻めます」。首位と2打差の2位タイ、10時に最終組からスタートした諸見里しのぶは、2番(パー3)でこの日1つ目のバーディを奪うと、5番、左ラフから放った2打目はピン手前から転がり、50cmにつけるスーパーショットで魅せる。これを難なくバーディとし、首位のアン・ソンジュ(韓国)を捕らえて並んだ。続く6番(パー5)では、セミラフからの第2打をピン手前2mにつけてバーディとし、一時は単独首位に立った。しかし、アン、そして最終組の2つ前の組からはフォン・シャンシャン(中国)が追い上げ、3選手によるプレーオフへ突入。プレーオフホール1ホール目で、アンとフォンの2人がバーディパットを沈めたのに対し、諸見里はカップ際でそれてパー。3年ぶりの優勝には届かなかった。

「もう一歩でした」と、敗戦の悔しさとは裏腹に、諸見里の表情は晴れやかだった。「久々のドキドキ感。でも思っていた以上に冷静な自分がいて、とても楽しかったです」と笑顔を見せる。「2年間こういうゴルフをしていなかった」との言葉通り、自信を失いかけ苦しんだ時期もあった諸見里だったが、「自分の自信に繋がるようなラウンドだった」と、得たものの大きさは計り知れない。

ここ数戦、フェアウェイからのショットミスも減り、スコアメイクできるようになってきたという諸見里。「ここで(勢いを)ストップさせるのではなく、来週以降も良い位置で戦えるように頑張りたい」と最後は声を弾ませた。「meijiカップ」での日本、中国、韓国の戦いは、“金メダル”とはいかなかったものの、敗戦によって強くなる選手も数知れず。国内9勝(うち国内メジャー3勝)を挙げている諸見里は復活を遂げるのか。(北海道北広島市/糸井順子)

■ 糸井順子(いといじゅんこ) プロフィール

某自動車メーカーに勤務後、GDOに入社。ニュースグループで約7年間、全国を飛びまわったのち、現在は社内で月金OLを謳歌中。趣味は茶道、華道、料理、ヨガ。特技は巻き髪。チャームポイントは片えくぼ。今年のモットーは、『おしとやかに、丁寧に』。

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