女王復活!世界ランク2位をも寄せつけぬ不動裕理
1999年に「伊藤園レディス」でツアー初優勝を果たしてから、12年目で50勝を果たした不動裕理。「こんなにポンポンと勝てて、自分でも信じられないし不思議な感じがします」。表彰式を終えて共同記者会見に現れた不動は、率直な感想を漏らした。
この日は通算6アンダーで韓国の申智愛と首位タイでスタート。1番で不動は2打目をグリーン左サイドのラフにこぼしてしまうがパーをセーブ。対する申はバーディを奪い一歩リードを許すことになった。しかし、2番では申がボギーを叩き、再び並ぶ。すると3番パー5では不動が下り5mのバーディパットを沈め、4番パー3でもバーディを奪い2打差のリードを奪った。
5番ではラフからの2打目がグリーンに届かず、3打目はピン奥4mへ。先にグリーン奥からアプローチをした申がチップインパーを奪うと、不動も慎重にこのパーパットを沈め差を詰めさせない。試合はその後も不動がリードを奪い続け、最終的には3打差で勝利。世界ランキング2位の申を同ランキング23位の不動が完全に押さえ込んだ展開だった。
「最近は1打1打、良いショットに対して喜んだりしています。その結果が優勝に繋がってくるかも知れない。良くても勝てないときがあるので、まずは目の前の1打にベストを尽くすべきだと思って、その1打を楽しんでいます」と言う不動。確かにボールの行方を確認する表情は以前よりもわかり易く、笑顔を見せることも多い。
表彰式ではギャラリーから「賞金女王狙って!」と声がかかり、思わず頬を緩める不動。「息切れするかも知れないけど、良い流れで来ているので、自分で途切れさせちゃいけないし、この流れに乗っていって、まあ最後に(女王争いに)参加できれば良いと思います。今年は出場試合数を多めにしようと思っていたので」。確かに気の早い話しにはなるが、出場2試合連続優勝で賞金は2位の金田久美子に800万円の差をつける2,647万円で首位に浮上した。
初出場で難易度の高い鶴舞CCを攻略するところも、全盛期の不動を思いださせる強さの一つだ。相手が誰であろうと、自分のゴルフに集中し、セッティングが難しくなればなるほどその強さを発揮するのが不動のゴルフ。2000年から6年連続で女王に君臨した不動が、その指定席奪回に向け今年のツアーを牽引することになるかもしれない。(編集部:本橋英治)