2011年 ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント

最後のチャンスがふいに!ルールを知らずに起こった悲劇

2011/03/04 20:51
坂の上のクラブハウスまで乗せてくれる送迎カートだが、ラウンド中に使うとペナルティが課せられてしまう

2011年の国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」初日、華やかな戦いの裏で3件のルール違反が発生し、うち一人は失格処分になるという事件が起きた。

ことの詳細はこうだ。今大会の会場となっている琉球GCには27ホールが存在し、トーナメントで使うコースは東と西の18ホール。坂の上にあるもう一つの南コースのそばにクラブハウスがあって、選手及びキャディはスタート時にはクラブハウスから下にある練習グリーン近くまでカートで送り届けて貰い、同様にホールアウト後は下から上までカートで運び上げて貰う。

しかし同時に、2011年LPGA競技の条件およびローカルルールの第8条には、「正規のラウンド中の移動についてはいかなる移動用の機器にも乗ってはならない」旨が定義されている。スタート前、およびホールアウト後は問題無いカート移動だが、これがハーフターンなどのラウンド中に行われると、上記のルール違反により2打罰が課されてしまう。自身のキャディがこの違反を犯した場合も、選手に対してペナルティが課されるのだ。

この日、このルールを破ってしまったのは、下村真由美上野藍子園田絵里子の3選手。しかし、下村、上野はスコアカード提出前にその事実を確認し、1番ホールに2打罰を加えただけで事なきを得た。しかし、園田の場合はキャディが上記ルール違反をしたのをアテスト終了後に知らされた為、過少申告で失格処分となってしまったのだ。

まれにホール間の移動(インターバル)が長かったり、急こう配を移動しなくてはならないようなコースでは、ローカルルールとしてカートの使用が許可されることがあるが、今大会にはその規則は無い。園田のキャディの場合も、ハーフターンでクラブハウスに荷物を取りに行った時は歩いて上がったが、戻るときに「乗っていく?」と送迎カートのスタッフに声を掛けられ、乗ってしまったのだという。

ゴルフルールを知っておくのは選手もキャディも同様に大切なこと。今回は改めてその重要性を思い知らされた。とりわけ、失格となった園田はそれを十分に肝に銘じたことだろう。園田にとってこの試合は、昨年のステップアップツアーに優勝して掴んだレギュラーツアー4試合の出場権の最後の試合。さらに、この日は本来ならば10位タイにあたるイーブンパーでラウンドを終えていたのだから・・・。(編集部:今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

2011年 ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント