タイガーが無期限での出場自粛、そしてゴルフ界は…

先日来、過熱報道が続いているタイガー・ウッズの女性スキャンダル問題。それ自体は選手個人の問題なので、とやかく言うつもりは無いが、12月11日付けでウッズ本人のホームページに掲載されたコメントは、衝撃的だった。「――長い自己省察の末、プロフェッショナルゴルフから無期限で離れることを決めた」。

現在まで235週間連続（約4年半／通算では577週）で、世界ランク1位の座に君臨し続けているウッズがこんな形でゴルフを離れることになろうとは。「良き夫、良き父親、そして良き人間になることに集中しなくてはいけない」。継ぐ言葉を失ってしまう。

この日、3ツアーズのプロアマに出場した石川遼は、「一人のタイガーのファンとして、皆さんと同じようにびっくりしました」とコメント。ただし、その言葉は「（記者の）皆さんには申し訳ないけど、僕は明日から始まる試合に集中したいし、ゴルフの面にそういう記事が載るのはちょっと違うと思う」と抵抗を示してから、かろうじて出た言葉だった。

JGTOの小泉直会長は、「PGAツアーのパワーが弱まって、欧州ツアーがパワーアップしてくるだろう。PGAは自国よりも、アジア、特に東アジアの日韓中へのアプローチが強力になってくるのではないか」と指摘する。求心力を失ったPGAが、スポンサー、そしてメディアの注目が集まるアジアに新たなビジネスチャンスを求めてくることは、想像に難くない。

世界のアスリートの中で断トツの稼ぎを誇るウッズの凋落。ゴルフ界にとっては大きな損失に違いないが、これが世界のゴルフ勢力の地殻変動を加速させることもまた事実だろう。（編集部：今岡涼太）