“30歳ルーキー”葭葉ルミが目指す大人のゴルフ「1打も無駄にできない」
◇国内女子◇Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント 最終日(19日)◇鹿児島高牧CC(鹿児島)◇6419yd(パー72)
「極力平常心というか、落ち着いて感情の起伏を出さないようにしたい。30歳になったので大人っぽいゴルフしたいと思ったが、相変わらずですね」
12日に30歳の誕生日を迎えた葭葉ルミは通算1オーバー54位で大会を終えた。初日「69」と好発進も、「74」「74」とスコアを落とした。自身が理想とする“大人”のゴルフとはならなかったようだ。
2012年のプロテストに合格し、16年「ニッポンハムレディスクラシック」でツアー初優勝。キャリア304試合を積み重ね、“新陳代謝”が激しい女子ツアーではベテランと呼ばれる域に入った。
「全然予想していなかった。30歳はプロとしてはやっていたと思うけど、レギュラーツアーにいるのはうれしい。引き続きキープできるように頑張りたい」。持ち味である飛距離も健在で、昨季のドライビングディスタンスは255.55ydを記録して全体2位に入った。
一方で、練習量は落ち着いてきた。「無理しない。今までは毎日ゴルフをしないと、練習しないとって感じだった。月曜日はオフでメリハリをつけるようにした」。ガムシャラにコースと向き合ってきた若手時代と比べて、見えるものも多くなった。
オフは9月のメジャー「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」が開催されるパサージュ琴海アイランドGC(長崎)を拠点に調整に励んだ。「スイングを変えている。去年、一昨年の良くなかったところを。アイアンがうまく当てられなかった。リズムが取れないのが続いていた。テンポ良く打つ」
今季はQTランキング6位の資格で参戦。出場優先順位を入れ替える第1回リランキングは6月「ニチレイレディス」終了後に行われるため、毎試合が正念場だ。「とにかく上位に行けるように。1打も無駄にできないと思ってやっている」と力を込める。
「30歳ルーキーみたいな感じ。ルーキー感を出して複数回優勝を目指して頑張りたい」。期待と不安を胸に1年間を戦い抜く。(編集部・玉木充)
■ 玉木充(たまきみつる) プロフィール
1980年大阪生まれ。スポーツ紙で野球、サッカー、大相撲、ボクシングなどを取材し、2017年GDO入社。主に国内女子ツアーを担当。得意クラブはパター。コースで動物を見つけるのが楽しみ。