いつ、どこで生まれた? “スマイルシンデレラ”の誕生秘話
「AIG全英女子オープン」で42年ぶりに日本人メジャー優勝を遂げ、一躍時の人となった渋野日向子。海外メディアは常に笑顔を絶やさない20歳を“スマイルシンデレラ”と命名し、日本でも快挙の達成とともにその呼び名が大きく報じられた。世界中に伝えられた愛称の誕生秘話とは――。
予選ラウンドを単独2位で通過した大会2日目。渋野は日本メディアの取材対応後に、海外メディアの3人の女性記者に囲まれて取材を受けていた。彼女たちこそ、“スマイルシンデレラ”の名付け親である。
その場をリードするように質問を繰り返したのは、長年LPGAツアーを取材する『Golf week』のベス・アン・ニコル記者だ。渋野が5月の国内メジャーで初優勝を挙げた当時、日本で“シンデレラストーリー”や“シンデレラガール”と報じられた情報を入手。「あなたは日本でシンデレラって呼ばれているの?」と渋野に問いかけたことが始まりだった。
3人の記者からは、現地でもすでに笑顔が代名詞になっていた渋野に「なんでラウンド中にそんなに笑っているの?」といった質問が飛んだ。通訳を介しながら笑顔で受け答えをし、報道陣を笑わせる渋野に、ニコル記者の隣にいた女性記者が「You are Smile Cinderella」(あなたは“スマイルシンデレラ”ね)と命名したのだった。
ところが、翌日のLPGAの公式サイトの記事内では、渋野本人のコメントとして「They call me Smiling Cinderella. I'm always smiling(みんな私をスマイルシンデレラと呼びます。私はいつも笑っています)」と紹介されていた(通訳はきちんと渋野の言葉を伝えたのに、何故かこのような表現に…)。
この記事により世界中に愛称が広まったのかは不明だが、あの場にいた女性記者たちの取材が発端となり、彼女の明るいキャラクターそのままに現地でキャッチーな愛称として親しまれるようになったのだ。(編集部・林洋平)