2017年 SMBCシンガポールオープン

ニオイ強烈!プロ根性で身体を張った20歳のドリアン・チャレンジ

2017/01/19 07:16
ドリアン・チャレンジに失敗。強烈な臭いの”フルーツの王様”をほおばる鍋谷太一

◇国内男子◇SMBCシンガポールオープン 事前情報◇セントーサGCセラポンC(シンガポール)◇7398yd(パー71)

こんな取り上げられ方は、きっと不本意に違いない。プロ6年目の鍋谷太一は開幕前日、練習場の片隅で大会が企画した"ドリアン・チャレンジ"に挑み、5球以内で数ヤード先に置かれたドリアンに当てるという挑戦に失敗。口いっぱいに強烈な臭いを発するドリアンを頬張る屈辱を味わった――。

弱冠20歳。昨年のファイナルQTを13位で終え、今週は出場順位が下りてくることを期してシンガポール入りしたが、ウェイティングのまま本戦には出られそうにない。前夜は、QTをトップ通過した同い年の星野陸也に関するニュースをネットで目にした。かすかな嫉妬心がうずくのは、プロとして当然だろう。「やっぱりプロは注目されてナンボですからね。テレビに映って、一般人にも知れ渡るようなプロに憧れます。遼さん松山さんは本当にすごいと思う」。"ドリアンの誘い"にすんなり応じたのも、プロ根性の表れだ。

2012年、16歳(高校1年)でプロ転向した。厳しい世界だとは覚悟していたが、「自分が良いプレーをしても予選を通らない。ジュニアの試合なら優勝しているかもしれないのに、プロは予選落ちかい!」と、しばらくは後悔が頭をよぎった。「ミスったわ。やめときゃよかった…」。

大阪出身でノリがよく、楽しいことに流されがちだと自己分析する。「だから今は良かったと思いますね」。早くから厳しい環境に身を投じたおかげで、二十歳のいま、ツアーの最前線に自力で立つことができている。

次週のミャンマーでは出場権が巡ってくる。そこへ向けて今週は、「アダムエルスガルシアを生で見られるチャンス。付いて歩いてギャラリーをします」と、ロープ外から勉強をするつもりだ。次回はドリアンを頬張る引きつった顔ではなく、会心のガッツポーズをみなさまにお届けできると信じたい。(シンガポール・セントーサ/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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