2014年 インドネシアPGA選手権

日本ツアー開幕…石川遼、新規定は「その場しのぎに思える」

2014/03/27 12:03
日本ツアーを盛り上げるには?海外でプレーしながらも、日本ツアーの未来を思う石川遼

日本ゴルフツアー機構(JGTO)が今月6日、海外ツアーメンバーおよび複数年シード保持者に関する出場義務試合数を定めたトーナメント規定を変更したことを受け、石川遼がいま抱いている憂慮を打ち明けた。

今年から適用される新規定では、複数年シード保持者(賞金ランキング1位、国内メジャー優勝者、ワールドカップ出場者)と海外ツアーメンバー(米国ツアーと欧州ツアー)に年間5試合の出場義務試合数が課され、その義務試合数に達しない場合は翌年1年間の同資格は停止される。(推薦等、他の資格での出場は可能)

米国男子ツアーの「バレロテキサスオープン」開幕前日、石川はこの新規定を「将来にとって悪いことだと思う」と指摘した。現在は米ツアーを主な舞台として戦う石川だが、「(07年に)マンシング(ウェアオープンKSBカップ)を勝って今の自分があるし、日本ツアーに対して恩を感じている。その恩を返したいし、ツアーに貢献したいと思っている」と日本への思いは薄れていない。だが、同規定が適用されることにより、「(来年以降は)日本の試合に出たくても、出られなくなることがある」と懸念する。

今年、国内での試合数は過去最低となる23試合。過去最多だった83年の46試合から半減した。JGTOは海外でプレーする人気選手に国内でのプレー機会を増やして欲しいと願うが、その一方で石川がツアー復興の鍵と考えるのは「選手のレベル」だ。かつて、世界で活躍したAONが国内でもしのぎを削ってツアーを盛り上げたように、日本で世界レベルのプレーが見られれば、おのずと「男子ツアーのスポンサーをやらせてくださいというところも増えてくるはず」と考えているという。

これは一見、JGTOの規定変更を肯定するようだが、そうではない。

「世界一の舞台で活躍する選手がいないと子供たちはゴルフに憧れない。(松山)英樹と2人でメジャーのトップ10に入るようじゃないと、日本の子供たちにインパクトを与えられない」。そのためには、もっと多くの日本人選手が海外挑戦できる環境が必要だ、と考えているためだ。

「このルールによって、海外に出にくくなると思う」。すでに米国ツアーに挑戦中の石川ですら足かせと感じるなら、後に続こうという選手たちはそれ以上にこの規定を重く感じるはずだ。将来を見据えたものではなく、「その場しのぎに思える」と語る石川の強い言葉は、そのまま今の日本ツアーへの危機感と取るべきだろう。(テキサス州サンアントニオ/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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