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腰痛、骨折、虫垂炎…アマチュアVを遂げるまで中島啓太が「準備」してきたもの

◇国内男子◇パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 最終日(26日)◇城陽CC (京都)◇6967yd(パー72)

全ての競技が終了して場内の雰囲気がセレモニーへと移り変わるにつれて、一切の感情を見せずに優勝パットを決めた中島啓太の目は徐々に赤く染まり、涙がこぼれ落ちた。日本男子では20年ぶりの金メダルを手にした2018年「アジア競技大会」でうれし涙を流して以来、流したのは悔し涙ばかりだった。「やっと、うれし涙を流せてうれしいです」

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高校1年生の2016年は173cm、65㎏だった中島は、翌17年に177㎝、70㎏に成長。18年1月「オーストラリアアマチュア選手権」を制してさらなるパワーアップを目指すなかで、3月の豪州での合宿中のトレーニングで右手の小指を骨折した。

回復して迎えた8月の「アジア大会」で金メダルを獲得して進学を決意すると、大学1年生だった2019年の夏に虫垂炎で入院するハメになった。入院前と退院後、合わせて1カ月半の間ゴルフから離れ、退院時の体重は66kgにまで減少した。前年2位の雪辱を果たすつもりだった2019年9月の「アジアアマ」まで1カ月ほどしかなく、準備万全とはいかなかった。

2020年の年明けには「オーストラリア マスター・オブ・アマチュア」に出場する予定だったが、慢性的に抱えていた腰痛が悪化。空港には到着していたものの飛行機に乗る前に出場を断念した。スポーツ選手に怪我はつきものだが、そこから2020年「日本オープン」(10月)までに77kgに増やし、当時では「過去最重量」の体を作り上げた。

「体脂肪率を減らして筋肉量を増やし、体は良くなったと思う。確実に強くなっているし、試合に対するコンディショニングのレベルも上がっている」。体重計は毎日持ち歩くようにし、体重、体脂肪、筋肉量など数値を「カレンダーに書いてチェック」。現在では「74~75kg」を行き来しているという。

普段であれば、トレーニングは大会開催週の前の日曜と火曜、組み合わせ次第で木曜または金曜日に行くが、今回は日曜、火曜に加えて大会期間中は毎日ジムに立ち寄った。「アジアアマに向けてというか、試合中でも筋力を高めていくように。もっと強くなるためには毎日行かないといけない」と考えての行動だという。

先輩と慕う金谷拓実のアマチュア優勝を見れば涙を流し、その金谷のプロ転向表明を車中で知ると「さびしい」と運転しながら泣き、部屋で松山英樹のマスターズ優勝を見ながら泣いた。4月「東建ホームメイトカップ」では金谷に追いつけず惜敗し、プレー直後から涙があふれ出た。負けた日は「帰ってから泣くこともある」という21歳。「結構、涙もろいんで(笑)、負けても勝ってもいつも泣いているけど、優勝はやっぱりうれしいです」。出した結果は「いい準備」ができた証拠でもある。(京都府城陽市/石井操)

石井操(いしいみさお) プロフィール

1994年東京都生まれで、三姉妹の末っ子。2018年に大学を卒業し、GDOに入社した。大学でゴルフを本格的に始め、人さまに迷惑をかけないレベル。ただ、ボールではなくティを打つなどセンスは皆無。お酒は好きだが、飲み始めると食が進まないという不器用さがある。

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