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少しだけ右に立った石川遼 フェードボールが優勝の道標

◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 最終日(8日)◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7023yd(パー70)

初日の1番ティーイングエリアで石川遼は、例年より少しだけ右寄りに立っていた。フェードの軌跡を描いた1Wショットがフェアウェイをとらえる。「左に立っていたら、フェードは打てないですから。あれがフェアウェイに行って、今週は『やれる』と思いました」。佐藤賢和キャディは上位で戦えることを確信したそうだ。今シーズン石川のバッグを担ぐのは2月の「ISPS HANDA ヴィックオープン」以来だったが、2015年大会の優勝をはじめ昨季まで専属。変化には敏感だった。

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開幕前日から石川は練習場でフェードボールを重点的に練習していた。試合でも多用した。夏場はドローボールを軸に連勝を飾った。10月「トップ杯東海クラシック」から1Wの調子を落とし、繰り返してきた試行錯誤。一貫しているのは、良かったときに戻すのではなく、再現性にこだわって、より上を目指すということだ。「ミスショットのときは、インパクトで重心が浮いている」。腰を痛めて以降、アドレス時の前傾姿勢をインパクトで維持できない課題と向き合ってきた中で生まれたひらめき。フェード打ちについて、本人は「それも(狙いとして)あります」と話す。

「ゴルフのことを、どうしたら良くなるかを、常に考えている。家でも、練習をしていないときでも。それですぐに寝られてしまうんですけど(笑)」。スイングに対する考察は、もはや生活の一部かもしれない。費やしてきた膨大な時間が、ひらめきの礎。長く石川に帯同し、間近で見てきたキャロウェイゴルフの島田研二さんは「それ(フェード)を試合で形にできたのは、これまでの積み重ねがあるからだと思います」と言った。勝算のない賭けでも、一時しのぎでもない。4日間を通じたフェアウェイキープ率73.21%。全体トップタイの数字がシーズン3勝目の下支えになった。

課題は、そのまま伸びしろに変換される。「ドローがきつくなくなったけど、今週はフラット、低い球が多かった。これでドライバーで高い球、低い球を打てるようになれば面白い」とも振り返る。7月の「日本プロゴルフ選手権」で勝ったとき、競技人生を山登りに例えた。「他の山に登るときは必要でなくても、世界一の山を登るために必要なものがある。今は、それを調達したり、登り方を身につけたりしている段階。(腰の)ケガから始まったシーズンでしたけど、無傷で登りきることはないと、自分の中では思う」。見据える頂はぶれていない。

石川にとって「非の打ちどころがない」スイングは2000年から2003年ごろ、まさに全盛期のタイガー・ウッズだという。「体の軸ですかね。キレイな”マル“を描いている」。仰ぎ見る理想の高さこそ、絶え間ない進化の原動力になる。(東京都稲城市/亀山泰宏)

亀山泰宏(かめやまやすひろ) プロフィール

1987年、静岡県生まれ。スポーツ新聞社を経て2019年にGDO入社。高校時代にチームが甲子園に出場したときはメンバー外で記録員。当時、相手投手の攻略法を選手に授けたという身に覚えのないエピソードで取材を受け、記事になったことがある。

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