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引退ラッシュの陰で… レーサーに転身した女子プロゴルファー

◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 初日(21日)◇フェニックスカントリークラブ(宮崎)◇7027yd(パー71)

その瞬間を知っている人は少なかった。今年、唯一出場した8月の「CAT Ladies」を予選落ちで終えた36歳の下村真由美は、それをキャリア最後のトーナメントにするつもりだった。

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2003年のプロテストに合格し、05年の下部ツアーで2勝もレギュラーツアーは未勝利。賞金シードはなく、来季出場権をかけた予選会(QT)を受けるつもりもなかった。関係者や親しい人にだけひっそりとその気持ちを伝え、静かにツアーを去っていった。

今週、初めて男子ツアーでキャディをしている下村だが、その情熱は衰えてない。とはいえ、その矛先が向いているのは少し違う方向だ。「ゴルフにないスピード感にどハマリしています」と、3年前に静岡の富士スピードウェイで初観戦したカーレースに感動して、いまではレーサーとしてハンドルを握っているのだ。

昨年末にサーキットライセンスを取得して、いまではJAF(日本自動車連盟)の国内Aライセンスも保持。今年は本田技研工業が販売する軽自動車「N-ONE」によるワンメイクレース「N-ONE OWNER'S CUP」に参戦している。

最高時速130km/hで、100分の1秒を争う世界だが、「ゴルフもレースも一人で道具を使ってやるスポーツ。その点は同じかな」と意外(?)な共通点も見つけたという。「いまはレースが6、7割ですね」と、嬉しそうに大きな瞳を輝かせた。

いまでも富士屋ホテル仙石ゴルフコース(神奈川県)に所属して、ラウンドレッスンやプロアマに参加。後輩ゴルファーからの相談にも、自身の経験を踏まえてアドバイスを送っているという。

だけど、ゴルフとはまったく違う世界にも飛び込んだ。諸見里しのぶや、大江香織らが2019年シーズンをもって一線から退くことを表明したが、女子プロゴルファーの華麗なる転身は、今後の新たなトレンドとなるだろうか。(宮崎県宮崎市/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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