2017年 アイルランドオープン

モナリザと初対面も 欧州ツアーメンバー谷原秀人の日常

2017/07/06 07:15
今週は北アイルランド。谷原秀人は欧州ツアーのタレントの一人としてプレーしている

◇欧州男子◇ドバイデューティーフリー アイルランドオープンbyロリーファウンデーション 事前情報(5日)◇ポートスチュワートGC(北アイルランド)◇7004yd(パー72)

パリで行われた前週の「HNAフランスオープン」に出場した谷原秀人は試合後の日曜日、今週の「アイルランドオープン」に向けてチャーター機に乗った。セレブが愛用するプライベートジェットではない。欧州ツアーが用意する選手・関係者用の特別便。さっきまでコースで争っていた相手は、機内では突如として乗り合いの仲間になる。これもまた、世界各国を転戦する欧州ツアーの魅力だ。

北アイルランドの首都・ベルファストで再び別れた彼らは、すぐに新しい戦いの準備に入る。今春、欧州ツアーのメンバーとなった谷原は3月の「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」で4位、5月「BMW PGA選手権」では3位と好成績を重ねた。年間のポイントランキング(レース・トゥ・ドバイ)で11位につけ、すっかりツアーで目立つ存在に。米ツアーから松山英樹もスポット参戦する今週、谷原はプロアマ戦で北アイルランドのサッカー代表監督マイケル・オニール氏とラウンド。地元の声援を浴びる、大会の大事なお客様をもてなす役を任されたわけだ。

夏場以降のスケジュールは悩ましい。残りのメジャー2戦が控え、米ツアーの入れ替え戦、対抗戦「ザ・プレジデンツカップ」、欧州ツアーのロレックスシリーズ、そして、日本ツアーと世界各国のトーナメントから出場試合を検討しなければならない。

開幕前日はプロアマ戦に出場した谷原秀人

ただそれも「幸せなことですよ。選べるのは。この歳になって」と喜ばしい。欧州での戦いは「コースの距離もそんなに長いわけではなく、逆に言うと日本人向きのところも多い。」という。「ツアーに言えば、常に送り迎えしてくれるし、ホテルも全部取ってくれる」と優れたホスピタリティも心地いい。

フランスではスイング改造を思い立って予選落ちした後、パリの街に出向いた。「観光をしない人間が初めて行った。エッフェル塔、凱旋門、ベルサイユ宮殿、ルーブル美術館…。オレが美術館に行くのかよって(笑)」。いわゆる“ベタな”観光ルートではあるが、「全部良かった。モナリザも」。ベテランの域に達して、発見できることがまだたくさんある。38歳に老け込む様子はまだない。(北アイルランド・ロンドンデリー/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

2017年 アイルランドオープン