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微笑みの国タイで始まったプロゴルファー亀代順哉の旅路

たった1人で訪れたアジアンツアーのファイナルQT(予選会)だったが、4日間72ホールを終えた亀代順哉を祝福する声援は、他のどの選手たちよりも多かったように思う。「なんか、こんなことになっちゃっているんですよね…」。1カ月前の悪夢から一転、微笑みの国タイで自身の新たな進路を切り開いた亀代は、タイ人キャディたちからの熱烈、陽気、そして人懐っこいエールに戸惑ったように照れ笑いした。

昨年11月。この年の日本アマチャンピオンの亀代は、国内男子ツアーのサードQTで失敗して、ファイナルQTに進めなかった。8週連続で試合に出て、サードQT前に1週間のオフを挟んだ。万全のつもりだったが、「逆に意気込み過ぎちゃった」と調整の難しさを悔やんだ。

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「この1カ月は、練習をしていても気が抜けた感じで…」。心にぽかんと空いた穴を埋めるために、「地元(徳島)に帰ってリラックスしたり、ゴルフを離れて遊びに行ったり」。そんなときに思い浮かんだのが、アジアンツアーのQTだった。「良いきっかけだし、挑戦してみようかなって(笑)」。

12月31日に終わったファーストQTは、4日間通算13アンダーをマークして7位で通過。2週間後のファイナルQTでは2日目に「62」を叩き出すなど、4日間の自己ベストを200%更新する通算26アンダーで3位に入り、今季のアジアンツアー出場権を獲得した。他に出場した日本勢の多くは癖のあるグリーンに苦労したが、「逆に読みやすかった」という。最近まで不調だったというパッティングだが、「ちゃんとインパクトしようと決め打ちしたら、ずっとそれが入ってくれた」とあっけらかんと振り返った。

戦い終えてアテストに向かった亀代を待っていたのは、次週から始まる新シーズンのための種々の手続きだった。シンガポール、ミャンマー、バングラデシュと続く試合へのエントリーをどうするか?ビザの準備、宿の手配はどうするか?連絡先は?

次週は青木翔コーチの結婚式が控えているが、スピーチは免除してもらうしかなさそうだ。その翌週は、大阪学院大学で日本アマの祝勝会が予定されているが、それはどうしたらよいのだろう?最近57m/sまでアップしたという1Wのヘッドスピードだが、その驚異的速度のように亀代の人生は回り始めた。

それでも本人は、見た目のままにどっしりと構えている。「去年もスポット参戦でやっていたので、それがプロになっただけかなみたいな。あまり気負うことなく、逆に決まっている試合に向けて調整していけばいいので、しっかりそれに向けてベストを尽くそうかなと思いますね」。そういってインタビューを締めくくった亀代を、また写真をねだるタイのファンたちが取り囲んだ。(タイ・バンコク/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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