ウィとスタンフォード、最終組で火花を散らした闘争心
米国女子ツアー開幕戦の「SBSオープンatタートルベイ」は、最終日最終組で地元ハワイのミシェル・ウィと、アンジェラ・スタンフォードが首位に並び、白熱したシーソーゲームが展開された。
スタンフォードが8番でボギーを叩き、ウィの1打リードで向かえた9番パー5。ティショットを左に曲げてトラブルとなったスタンフォードは、なんとか4打でグリーンに辿り着いて、7m近いパーパットをねじ込むと、右手のこぶしを握り締めて谷口徹ばりの気合のガッツポーズ。そして、キャディのこぶしを殴りつける、グータッチならぬグーパンチで闘争心を露にした。一方のウィも、5.5mのバーディパットを沈めると、スタンフォード以上の渾身のガッツポーズでギャラリーを沸かせると共に、リードを2打に広げた。
この気合に圧されたのか、スタンフォードは10番でボギーを叩き、差は3打に広がる。勝負あったかと思われたが、続く11番でウィのティショットは左からの風に流され、右サイドのウォーターハザードに吸い込まれてしまう。3打目はグリーンをオーバーし、4打目のアプローチはクラブが芝に食われてグリーンに届かず(スタンフォードは彼女の若さが見えたと言ったが)、5打目でようやく2mにつけた。ミスの続いたウィだったが、このダブルボギーパットを沈めると、またもや気合の入ったガッツポーズを見せた。
結果はともあれ、この2人からは勝ちたいという気持ちがひしひしと感じられ、それにつられて見ている方の感情も昂ぶる、実に見ごたえのあるプレーだった。「あと少しで優勝できなかったことは、次のレベルに行く為に努力をする良いモチベーションになるわ」と、負けたウィも前向きだった。
何物にも影響されない自分の軸を作ろうとしている宮里は良いとしても、負けん気が持ち味の上田には、是非この最終組で回って貰いたかったというのが率直な感想だ。みんな必死で勝とうとしている。単純なことだが、気持ちを折っている場合ではないのだ。(編集部:今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka