ゴルフツアーは色々あるが…
2001年、ここサニングデールで開催された「全英女子オープン」を制したのは朴セリだが、その朴セリと最終日を一緒にラウンドし、ベストアマを獲得したのが、イングランドのレベッカ・ハドソン。2002年にプロに転向し、2003年から欧州女子ツアー(LET)に参戦しているハドソンは、今年はチーム戦を含めてすでにLETで3勝を挙げている。
今大会も好調のハドソンが、初日を終えてメディアのインタビューに答えた内容が面白い。ざっと次のような受け答えがあった。
―― あなたの世界ランキングは176位だけど、明らかにそれ以上の選手。今週、ここで何かを証明しようと思っている?
「特に思わない。ヨーロッパツアーの選手にとって、ワールドランキングはあまり良いシステムとは言えないけど、私達はコースに出て、自分が出来ることをするだけよ」。
―― LPGA(米国女子)ツアーに参戦する気は?
「今は全く無い。私はヨーロッパが好き。賞金も増えて、コースも整備されて、みんなが一生懸命に努力して、より良いツアーになっていくと思う」。
―― アメリカの高い賞金は参戦するインセンティブにならない?
「いいえ。アメリカには、私が一緒にいたいと思う家族がいない。確かにお金は稼げるかもしれないけど、もしそれがハッピーでないなら、そうする理由は無いわ」。
欧州への愛着が尽きないハドソン。根底にあるのは家族愛だが、その為にもLETをもっと活性化させたいという気持ちが強い。LPGAとの推薦枠の交換など、具体的な意見も出しつつ、LETがより発展するのを待ち望んでいる。
トップ20の選手だけが、まずまず安定して暮らせるというLETに比べると、日本ツアーは大分恵まれていると言えるだろう。だが、これほど自分達のツアーに愛情を持っている選手が日本にいるかと言われれば、残念ながら思い当たらない。手遅れにならないように、自分達の大切なツアーを守っていきたいものだ。(編集部:今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka