谷原秀人は欧州初優勝ならず 今季初のトップ5入り
◇欧州&アジアン◇メイバンク選手権 最終日(4日)◇サウジャナG&CC(マレーシア)◇7186yd(パー72)
欧州ツアーを主戦場とする谷原秀人の初優勝は再び持ち越された。トップと2ストローク差を追い、4バーディ、1ボギーの「69」。石川遼と同じ通算16アンダーの5位タイとして、逆転勝利はならなかった。次週はオーストラリア開催の「ISPS HANDA ワールドスーパー6パース」に出場する。
日曜日の最初のバーディは奇跡的なロングパット。4番(パー3)で、手前から奥の段をめがけて打った15mがカップに飛び込み、大歓声を呼んだ。6番では奥から5mを流し込んで2つ目を決めた。
得意のパットでチャンスをものにし、「比較的良いショットも多かった」と好感触を得ながら、初タイトルに及ばなかった。「ロングでひとつもバーディを取れなかった」と肩を落とす4つのパー5は、いずれもパーどまり。「リーダーボードは見ていて、行かなきゃいけないのに、ロングを取れないのは痛い」。優勝したシュバンカー・シャルマ(インド)は19位から10バーディ「62」をマークした。前年も、最終日に6打差を逆転するドラマがあった大会。「そういう、(ビッグスコアが)出る時は出るコースだからね…」と潔く敗戦を受け入れた。
欧州で今シーズン4試合目にして初のトップ5入り。昨秋から後退続きで、77位にいる世界ランキングは上昇する。谷原は昨年、3月末に世界ランキング50位以内に滑り込み「マスターズ」への出場を決めた。春先の活躍に“再現”の期待が高まるが、本人は「そこを考えずに目の前の試合だけやっていければいい」と、これまで通り一戦必勝の姿勢を崩さない。
次週は、3日間を通常のストロークプレー(2日目終了時点で65位タイまでのカットあり)で行い、上位24人が進む最終日は6ホールずつのマッチプレーという独特の方式を取る。「しっかり予選を通過して、マッチプレーで暴れたいなと思います」。各国を巡る欧州ツアーの選手は大変だ。試合を悔やむ間もなく、同日中に次の目的地へと向かう。「まあ、いいんじゃないですかね。悪いゴルフをしているわけじゃない。前向きに」と残して、マレーシアを後にした。(マレーシア・シャーアラム/桂川洋一)