2017年 アイルランドオープン

正座でバンカーショット 谷原秀人が美技で魅了

2017/07/07 07:00
これぞ正座バンカーショット。日本が誇るショートゲーム職人の技

◇欧州男子◇ドバイデューティーフリー アイルランドオープンbyロリーファウンデーション 初日(6日)◇ポートスチュワートGC(北アイルランド)◇7004yd(パー72)

谷原秀人は風の舞うコンディションで3バーディ、1ボギーの「70」で回り、2アンダーの63位タイでスタートした。パットでの取りこぼしがあったものの、難解なバンカーショットで北アイルランドのギャラリーを魅了した。

最終18番、第3打を前にした状況は “最悪”と言えた。ポットバンカーの左サイド、アゴまでは1mしかないポジション。バンカー内にスタンスが取れず、芝の上で頭を悩ませると、谷原はひざを折って正座をし、腕を下に伸ばしてSWを振り抜いた。約25ydの距離を出し、ピン手前2mにピタリ。「立って打ったら腰を痛める、トップすると思って」。スタンドから大歓声が響いた後、直後のパーパットを外したことを多くの人が残念がった。

「今までにやったことはない。やんないですよね。打てるだけ良かった。ズボンが汚れたっすよ」と、土のついた白パンツを気にして苦笑い。

前半アウトの2つのパー5(4番、7番)でバーディを決め、10番で3mを沈めて3つ目。インコースのパー5(13番、14番)はいずれもティショットのミスからスコアを伸ばせなかったが、「ロングで取れなかったのは痛いですけど、それまでに惜しいのは結構あった。ショットはそんなに悪い感じじゃなく、そこそこ良い球を打てている。もう少しパターが入ってくれれば」と表情は暗くない。

この日は突風とまではいかないものの、風向きが何度も変わった。「最後(ホールアウト)までに、風が360度回った。もったいなかったけれど、これだけ回っているから」と、コンディションに惑わされずに、まずは確実に3試合ぶりの予選通過を果たしたい。(北アイルランド・ロンドンデリー/桂川洋一)

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