欧州勢も粒ぞろい スピース、デイ、スコットと激突するのは?
今週の「WGCデルマッチプレー」で世界選手権シリーズ初優勝を狙う世界ナンバーワンのジョーダン・スピースは、欧州勢を相手にしたタフなチャレンジに直面することを覚悟している。
22歳のスピースは、すでにメジャー2勝を挙げ、フェデックスカップも制しているが、その短いながらも輝かしいキャリアにおいて、WGCではまだ勝利の美酒を味わっていない。
今週、スピースがオースティンCCで戴冠するにはまず、ヨーロピアンツアーメンバーであり、「ライダーカップ」スターであるジェイミー・ドナルドソン(ウェールズ)とビクトル・デュビッソン(フランス)、そしてスピースの友人であるジャスティン・トーマスが同組となった予選グループを突破しなくてはならない。
スピース、ドナルドソン、そしてデュビッソンはみな、2014年にグレンイーグルスで「ライダーカップ」デビューを果たしており、同大会ではドナルドソンがキーガン・ブラッドリーを相手に、15番ホールですばらしい第2打から欧州代表チームに勝利を呼び込むポイントを挙げ、大会3連覇に貢献した。
デュビッソンもまた、マッチプレーでは名だたる経歴を持っている。「WGCマッチプレー」の2014年大会では決勝でジェイソン・デイと23ホールにわたる死闘を繰り広げた末に2位に入った。スピースはそんな大胆不敵なフランス人選手に対し、偉大なる故セベ・バレステロスを引き合いに賛辞を贈った。
「難しいグループだと思う」とスピース。「簡単グループなんてないけれど、それにしても難しい組み合わせになったと思うよ。ジャスティンはすばらしい選手。金曜の午後は一緒に楽しい時間を過ごしたのだけど、残念ながら勝ち抜けられるのはただひとりだからね」
「ビクトルは知っての通りこの大会で成功を収めているわけで、タフなコンディションは彼にとって有利に働くと思う。彼のゴルフにとってアドバンテージとなるんだ。彼のグリーン周りのプレーは“セベ的”だよね」
「そしてジェイミーに関しては、僕は『ライダーカップ』のあの最終マッチを現地で見ていたわけだから。タフなマッチプレーのグループになった」
世界2位のジェイソン・デイもまた、グレーム・マクドウェル(北アイルランド)にトンチャイ・ジェイディー(タイ)と、スピース同様に2人のヨーロピアンツアーメンバーと予選グループで相まみえることになり、更にこの組には「ライダーカップ」欧州代表の優勝メンバーであるポール・ケーシー(イングランド)が入った。
「とてもタフなグプールに入ったと感じている」とデイ。「このフィールドではどの選手も軽視することはできない」。「それにしても、ポールは傑出したマッチプレーの戦績を持っているし、グレームは『ライダーカップ』の選手であり、欧州では『ボルボマッチプレー』を制しているからね。そしてトンチャイもいるんだ。彼らはそれなりの理由があってこの場にいるのだから、決して過小評価はできないんだ。彼らは良いゴルフをしているよ」
アダム・スコットも目下絶好調な選手の一人であり、豪州出身の彼は、わずか2週間前に今年の世界ゴルフ選手権初戦となった「WGCキャデラック選手権」を制覇している。35歳のスコットは、キャリア3度目のWGC制覇へ向け、グリーンでの出来が大きな鍵を握るという。
「マッチプレーではパッティングが大きく物を言うんだ」「パターが冴えわたっていれば、ベストのプレーができてなくても、簡単には負けないんだ。だから今週は、マッチでパターが決まって、勝ち抜けることができれば良いね」