「WGCフェデックス セントジュード招待」で知っておくべき5つのこと
世界ゴルフ選手権第3戦が初めてテネシー州メンフィスで開催される今週は、ディフェンディングチャンピオンのジャスティン・トーマスを王座から引きり下ろすべく、27人のヨーロピアンツアーメンバーがTPCサウスウィンドに集結する。同大会について知っておくべき5つの事柄は次の通り。
舞台はメンフィス
かつて「WGCブリヂストンインビテーショナル」として知られたこの大会は、初めて世界ゴルフ選手権を開催するテネシー州メンフィスのTPCサウスウィンドへと舞台を移す。
とはいえ、同コースは大きな大会を経験していないわけではなく、ここでは1989年以来、米PGAツアーのレギュラーイベントである「FedExセントジュードクラシック」が開催されてきた。WGCがテネシー州で開催されるのは、これが初めてのこととなる。
1999年に第1回大会が開催されたこの大会は、これまでの19大会中18大会がオハイオ州アクロンのファイアストーンCCで開催されており、2003年のみワシントン州のサハリーCCで開催された。
フリートウッドの反撃は?
先週、ポートラッシュでの「全英オープン」でアイルランドのシェーン・ローリーに次ぐ2位に入ったトミー・フリートウッドは、メジャー初制覇を逃した悔しさを晴らすべく、メンフィスへとやってくる。
2017年の「レース・トゥ・ドバイ」王者は、これまで世界ゴルフ選手権で優勝した経験はなく、2年前の「WGCメキシコ選手権」の2位が自己最高位となっている。
フリートウッドは今季一度も予選落ちしておらず、先週の2位に加え、米国の地では3度トップ5入りしているほか、大会ホストを務めたサウスポートGCでの「ベットフレッドブリティッシュマスターズ」でもトップ10入りしている。果たしてイングランドの人気選手による2018年1月以来の優勝はあるのだろうか。
連覇を狙うジャスティン
昨年はファイアストーンCCにて、傑出したプレーを見せた米国のジャスティン・トーマスが、同胞のカイル・スタンリーに4打差をつける圧勝で世界ゴルフ選手権初制覇を果たした。
一方、当時世界ナンバーワンだったダスティン・ジョンソンと並ぶ3位タイに入ったトービヨン・オルセンは、米国での自己ベストを更新した。デンマークのオルセンは、後々この好成績が物を言うかたちで、同年にトーマス・ビヨーン率いる「ライダーカップ」欧州代表入りを果たした。
更にわずか1打後方の5位には、現在の世界ナンバーワンであるブルックス・ケプカが入ったが、メジャー4勝の彼は未だWGCのタイトルはその輝かしい戦歴に加えられていない。
ロリーによる世界制覇の準備は整ったか?
第148回「全英オープン」では地元で難しい1週間を送ったロリー・マキロイだったが、この北アイルランド人選手は今季絶好調であり、米PGAツアーで2勝し、メジャーで2度トップ10入りしているほか、メキシコで2位に入るなど、WGCでも2度のトップ10入りを記録している。
30歳のマキロイにとって、TPCサウスウィンドでのプレーは2012年以来となるが、過去に彼はメンフィスで7位タイに入るなど、同コースでそれなりの成績を残している。
恐らく、ロイヤルポートラッシュで予選落ちした落胆は、彼にとって、2014年にファイアストーンCCで制覇したこの大会を再び制する上での発奮材料となるはずだ。
席巻する米国勢
米国人以外で世界ゴルフ選手権を制覇したのは、2017年に「WGC HSBSチャンピオンズ」で優勝したジャスティン・ローズが最後であり、この大会で最後に優勝した欧州勢は2015年王者のシェーン・ローリーとなっている。
2015年は欧州勢がこれまで最もWGCで隆盛を誇った年であり、同年はロリー・マキロイが「WGCキャデラックマッチプレー」を制覇したほか、「WGC HSBCチャンピオンズ」を制覇したラッセル・ノックスはローリーに続いて世界ゴルフ選手権初優勝を果たした。
ここ18ヶ月は米国勢がWGCを席巻しており、なかでもダスティン・ジョンソンは直近のWGC8大会中3大会を制覇しており、WGCの通算勝利数を6勝に伸ばしている。
しかし、2010年から2012年にかけて12回開催されたWGCで米国勢は4勝しか挙げておらず、この間、イングランドのルーク・ドナルド、イアン・ポールター(2勝)そしてジャスティン・ローズ、南アフリカのアーニー・エルス、ドイツのマルティン・カイマー、イタリアのフランチェスコ・モリナリ、そして豪州のアダム・スコットがWGCで戴冠している。
先週はシェーン・ローリーが欧州勢として今季初めてメジャー王者となったが、今回もその傾向は続くことになるのだろうか?