タイがゴルフシックスで劇的勝利
「ゴルフシックス カスカイス」は、タイがプレーオフを経てニアピン対決まで勝負が持ち越された決勝でイングランドを下して優勝し、オイタボスデューンズでヨーロピアンツアーの歴史を作った。
決勝の6ホールを終え、トム・ルイスとポール・ワーリングに対し1-1で並んでいたパチャラ・コンワットマイとトンチャイ・ジェイディーは、6番でのプレーオフに臨むも、そこでも勝負は決しなかった。
これにより、3年に及ぶこの革新的な大会でベスト4以上の試合で初めて勝負がニアピン対決へと持ち越されることになり、チームメートより29歳年下で弱冠20歳のコンワットマイがティショットをOKパット圏内につけて勝利をたぐり寄せた。
お祭り的な雰囲気を醸し出す水泳プール越えの6番ホールは、ジェイディーがグループリーグでアイルランドを下すホールインワンを達成するなど、2日間を通して大会を盛り上げた。
しかし、ヨーロピアンツアー出場393大会にして8勝を誇る49歳でさえ、チームメートと敢行したプールへのダイブで幕を下ろした2日間に及ぶ6ホールのグリーンサムは、未知の体験となった。
「今日はラッキーでした」とジェイディー。「今日、我々は良いプレーをしましたが、チームワークがとても重要だったと思います。また優勝することができてうれしいです。ここ2、3年は勝てていませんでしたので、勝つのに丁度良いころ合いでしたし、パートナーのパチャラには感謝しています」
これに対し、コンワットマイは「とても楽しかったですし、タイのためにトンチャイとプレーするのも楽しかったです。彼にこの大会の方式を教わりましたし、トンチャイがチームメートでとてもうれしかったです。本当にうれしいですね」と続けた。
初日にグループBを首位で突破したタイは、決勝トーナメントでスコットランドとスペインを撃破した。決勝で、グループAを首位通過して2日目はスウェーデンとイタリアを下したイングランドと対戦した。
1番ホールでワーリングは2打目でグリーンをとらえることができず、イングランドはこのホールをボギーとしたことで、危なげないパー発進となったタイの後塵を拝するスタートとなった。
2番ホールは両チームともにグリーンを外し、お互いリカバリーショットもピンに寄らず、それぞれ2パットのボギーとしてホールを分けた。
調子を取り戻したイングランドは、3番ホールでルイスがティショットをタップイン圏内につけ、これに対しタイはグリーンエッジからのコンワットマイの2打目がピンに直撃しながらもホールインしなかったため、1-1の振り出しに戻った。
ショットクロックで計測された4番ホールは両チームともに危なげなくパーで切り抜け、イングランドは5番も比較的に安全にパーとしたが、タイはジェイディーが3.3メートルのクラッチパットをねじ込み、寄せワンのパーで辛うじて同点のまま6番ホールを迎えた。
ワーリングは6番のティショットをピンそば1.5メートルにつけてタイの2人にプレッシャーをかけるも、タイは同じラインで攻めたジェイディーがワーリングのボールの1.5メートル先につけて応戦した。コンワットマイは続くバーディパットを外したが、ルイスも同様にパットを決め切れず、選手たちはプレーオフのため再び6番のティへと取って返した。
プレーオフではコンワットマイがピンそば3.6メートルにつけたが、元パラシュート部隊員のジェイディーがバーディパットを外した。イングランドもルイスが2.1メートルを決め切れず、最終ホールでの3度目のティショットで歴史的瞬間が訪れることとなった。
「疲れ果てたね。ヘトヘトだね」とルイス。「僕らは長丁場を戦い抜き、たくさんのすばらしいマッチをプレーしてきたけれど、(決勝では)最初の数ホールで少しミスってしまい、彼らに若干自信を与えてしまった。僕らは頑張ってプレーオフまで勝負を持ち越したけれど、残念ながらパットが入らなかった」
タイは準々決勝で、コンワットマイがパー4の1番でわずかにワンオンを逃すほぼ完璧なスタートを切ってスコットランドを2-1で下すと、スペインと対戦した準決勝では相手が1番と2番で立て続けにバーディチャンスを逃す中、3番でジェイディーがティショットをピンそばにつけ、1-0で勝利した。
イングランドはアレクサンダー・ビョークとヨアキム・ラガーグレンのタッグと対戦した準々決勝で、序盤に2-0とリードを広げ、3番ではビョークがみごとなティショットを打ったスウェーデンに応戦されたが、このリードを最後まで守り切った。
イタリアと対戦した準決勝では、相手が1番をボギーとする中、ルイスがみごとなティショットを打った3番、そして4.5メートルのバーディパットをねじ込んだ5番を獲って3-0で勝利した。
イタリアとの3位決定戦に臨んだスペインのホルヘ・カンピージョとナチョ・エルビラは、2番をボギーで分けとする中、いずれもアイアンショットの光った1番、3番、4番でバーディを奪い、わずか4ホールで決着をつけた。
ロレンツォ・ガッリとエドアルド・モリナリが組んだイタリアは、ニアピン対決までもつれた準々決勝でフランスを下した。一方、スペインは準々決勝でオーストラリアに2-1で勝利した。