大会ホストを務めるセルヒオ・ガルシア ※画像は前年大会(Warren Little /Getty Images)

ヨーロピアンツアーが「アンダルシアバルデラママスターズ」のためスペインへと向かう今週は、シード権の当落線上にいる選手にとって大きな一週間となる。今週のレアルクラブ・バルデラマは、シード権確保を目指す選手たちにとって、「レース・トゥ・ドバイ」のランキングポイントを獲得する最後のチャンスとなるのである。来季もツアーでティアップできるのは、年間ランクの上位110位までとなっており、今週は有名な難関コースで異次元の戦いが繰り広げられることになる。

フェアウェイをコルクの木立が囲む1997年「ライダーカップ」開催コースでは、ティショットの精度が必要となり、更にグリーンも小さいため、アイアンショットにもレーザーのような精度の高さが求められることになる。バーディ奪取が非常に難しいコースであり、ここでシード権を確保した選手はそれだけのことを成し遂げたということを意味する。我々のデータの達人は、数字と選手たちの状態を徹底的に調査し、次の3人を注目選手として選出した。

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本命: セルヒオ・ガルシア

本命はセルヒオ・ガルシアをおいて他にはいない。スペインのガルシアは、3週間前の「ライダーカップ」で見事なプレーを披露したことで、自信を持ってバルデラマへ帰って来るだけでなく、彼は過去に2勝を挙げているコースでティアップする。ガルシアは昨年の優勝を含め、この大会では3度の出場で3度のトップ10入りを果たしており、昨年はストローク・ゲインドを「+18.66」とした。

ガルシアは大会初出場の2010年に10位に入り、2011年にはこの南スペインのコースでの初優勝を遂げた。彼は2016年の「レアルクラブ・バルデラマ スペインオープン」で3位に入ったことで、ソトグランデでの評価を確固たるものとした。好パフォーマンスを見せた「ポルトガルマスターズ」の最終日に「65」をマークして7位タイに入り、その勢いを「ライダーカップ」へとつなげた。バルデラマでの自信に満ちたガルシアは、押しも押されもせぬ優勝候補だ。

対抗: エドアルド・モリナリ

ここ最近は弟のフランチェスコがスポットライトを浴びていたが、今週はエドアルドの週となるかもしれない。スタッツに目敏いファンであれば、先週の「スカイスポーツブリティッシュマスターズ」で彼が73.3パーセントのフェアウェイキープ率を記録し、同部門で4位に入りティからグリーンにかけてのパフォーマンスを大幅に向上させたことを見逃していないだろう。イタリアのモリナリは、先週パーオン率も9位に入った（73.6％）。こうした精度があれば、彼はバルデラマのようなコースをエンジョイできるだろう。

ヨーロピアンツアー3勝のモリナリは、バルデラマで目立った成績を残していないかもしれないが、「アルフレッド・ダンヒル リンクス選手権」で24位に入り、「ブリティッシュマスターズ」で16位タイに入るなど、最近の調子は悪くない。現在年間ランクを137位としているため、モリナリは2019年のシード権を確保する上で、今週は好成績が求められる。最近の調子を鑑みると、彼には十分にそのチャンスがあるだろう。

穴: ユースト・ラウテン

手負いのゴルファーに気をつけるべし。ユースト・ラウテンは5月の「BMW PGA選手権」以来、競技でプレーしていないが、カムバックを遂げる大会で彼が好成績を挙げるという予想はしっかりとした根拠に基づいている。32歳のラウテンは、バルデラマで2度の2位とその他にトップ5入りを1度記録しており、これには昨年の大会における単独2位も含まれる。ラウテンは2018年大会を「273」でラウンドしているが、これはバルデラマで開催された昨年以外の21大会では優勝スコアとなっていた。

今週は手首の怪我からの復帰戦となるため、ラウテンに対する期待値はさざ波程度の穏やかなものとなっている。しかし、リズムに乗れば、この場所ほど彼が復活を遂げるのに相応しい場所もない。このノーマークのオランダ人選手が勇躍しても驚きではないのである。