欧州男子ツアー

2016年ヨーロピアンツアー年間最優秀選手はステンソン

2016/12/15 07:30
ミケルソンとの死闘を制したステンソンが欧州ツアーMVPに輝いた(※2016年「全英オープン」最終日)

2016年ヨーロピアンツアー年間最優秀選手は、今年の「全英オープン」王者で、ポイントレースの「レース・トゥ・ドバイ」を制したヘンリック・ステンソンに決定した。ここ4年で2度目の受賞となった。

ステンソンは6月に「BMWインターナショナルオープン」で優勝すると、その後1カ月と経たないうちに第145回「全英オープン」を制覇し、男子スウェーデン人選手として初のメジャー王者になった。

特に、ロイヤルトゥルーンでのフィル・ミケルソンとの熾烈なバトルは、最高の決闘としてゴルフ史に残るものであった。3打差で勝利したステンソンは、メジャー王者による最終ラウンドの最小スコアに並ぶ「63」を叩き出すとともに、4日間を通算20アンダーの「264」で回り、メジャー最小スコア記録を塗り替えた。

8月には、ステンソンは舞台をリオデジャネイロ五輪に移して、ジャスティン・ローズと同じようにバトルを繰り広げ、この際は敗れた。だが、銀メダルを獲得し、金メダルのローズと共に112年振りに五輪復帰を遂げたゴルフ競技の成功に大きく貢献した。

ブラジルで自国を代表してプレーした後、40歳のステンソンは欧州を代表してヘイゼルティンナショナルで開催された「ライダーカップ」に出場し、シングルスでジョーダン・スピースを3&2で撃破するなど、トータルで2ポイントを獲得。チームとしては敗れ、米国代表にとって2008年以来となる優勝を譲った。

その後も好調を維持したステンソンは、力強く2016年シーズンを締め括った。中国で開催された「WGC HSBCチャンピオンズ」で2位タイに入り、それまでポイントレースで首位を走っていた「マスターズ」王者のダニー・ウィレットに代わって先頭に立った。その後は「ファイナルシリーズ」、「ネッドバンクゴルフチャレンジ」、そして「DPワールドツアー選手権」と連続してトップ10入りを果たし、1シーズン合計のトップ10入りを10回とし、2位に870,316ポイント差をつけて2013年以来となる自身2度目のポイント王者に輝いた。

ステンソンは前回ポイントレースを制した2013年にも年間最優秀選手に選出されているが、今年もゴルフメディアで構成される委員会により全会一致で最優秀選手に選出された。

「僕のキャリアで最高シーズンだったのは間違いないし、今こうして、2度目となるヨーロピアンツアー年間最優秀選手に選出され、最高の形でシーズンの終幕を迎えることができた」とステンソン。「クラレットジャグを勝ち取り、オリンピックでは銀メダルを獲得し、『レース・トゥ・ドバイ』を制覇した上、この賞が貰えたのだから、2016年は僕にとって特別な年になったし、自分が成し遂げたことを誇りに思う」。

「これまで偉大なゴルファーたちがこの賞に輝いてきたし、更に多くのすばらしいゴルファーたちが毎年この賞を取り逃してきたことを考えると、2度目の受賞というのは大きな名誉だね。安定感という面では2013年の方が少しだけ勝っていたかもしれないけれど、2016年は鍵を握る時に最高のパフォーマンスが発揮できたので、僕にとっては今年が最高の年ということになる。この賞はそれを締め括るのにとても良いね」。

ヨーロピアンツアー最高責任者のキース・ペリーは、「2016年シーズンは祝福すべきことも多く、世界中のヨーロピアンツアーメンバーにとって、間違いなく思い出深いものになった」と述べた。

ヘンリック・ステンソンはロイヤルトゥルーンでクラレットジャグを獲得するなど、今年、最も傑出したパフォーマンスを披露しただけに止まらず、シーズンを通して瞠目の安定感を維持し、『レース・トゥ・ドバイ』を勝ち取りました。更に、ヘンリックは、彼がゴルフというゲームにおける最高のアンバサダーであることを一貫して思い起こさせてくれました。キャリアで2度目となるヨーロピアンツアー年間最優秀選手に相応しい勝者だと思います」。

委員会のメンバーであるBBCゴルフ記者にしてゴルフライター協会の会長でもあるイアン・カーター氏は、今回の選出について次のように述べた。

「この栄えある賞には、20年振りにイングランド人として『マスターズ』を制したダニー・ウィレット、オリンピックで優勝し、ゴルフの発展のために重要な役割を果たしたジャスティン・ローズ、そしてシーズン後半だけで4勝を挙げて世界ランキングのトップ10に上り詰め、ヨーロピアンツアーの意義を良い形で示してくれたアレックス・ノレンなど、多くの優秀な候補者がいました」。

「しかし、2016年で最も傑出した選手は疑いようもなくヘンリック・ステンソンであり、あのフィル・ミケルソンとの激闘は、あの時、ロイヤルトゥルーンにいた我々全員の記憶に生涯残ることでしょう。ヘンリックは見事な形で『レース・トゥ・ドバイ』を締め括ったこともあり、全会一致で彼を2016年ヨーロピアンツアー年間最優秀選手に選出しました」。