欧州男子ツアー

シュワルツェルの好調の要因は?

2016/03/15 10:30
好調のシャール・シュワルツェルはマスターズの優勝候補に挙げられる(※撮影はツワネオープン3日目)

これまでシャール・シュワルツェルは年間で3勝以上を挙げたことがなかった。14年前にプロへ転向した南アフリカ出身の彼は、昨年12月の「アルフレッド・ダンヒル選手権」で優勝して以来、世界中で同大会を含む6つの大会に出場し、3勝を挙げた。

世間の耳目が世界ランキングのトップ争いに集中するなか、先週米国でプロ15勝目を挙げたシュワルツェルは比較的ノーマークの存在だった。2011年の「マスターズ」王者は、昨シーズンを世界ランク50位で終えたが、この週明けに、近来の好調で世界21位になっていた。

昨年の11月21日以来、シュワルツェルは世界中で6大会に出場し、3勝を挙げた他、1大会を除く全ての大会でトップ20入りを果たしている。それに加え、彼が主戦場とする欧州ツアーでは今季3大会以上出場した選手のなかで、最高の平均スコアを記録している。

12月の「アルフレッド・ダンヒル選手権」で、同大会の新記録となる4勝目を挙げた31歳のシュワルツェルは、続く「ネッドバンクゴルフチャレンジ」でトップ10入りを果たすと、2月の「ツワネオープン」では2位に8打差をつける圧勝劇を繰り広げた。

シュワルツェルはその「ツワネオープン」で、ヨーロピアンツアーでは2009年以来、優勝と同時に平均飛距離とパーオン率でもトップの数字を残した2人目の選手となった(これを達成したもう一人の選手は、2015年に「BMW PGA選手権」を制したアン・ビョンフン)。

何が今季のシュワルツェルのスタートダッシュの鍵を握っているのだろうか?

彼は12月の勝利の後、暫しの間大会から離れ、5年前にオーガスタの上がり4ホールで連続バーディを奪ってグリーンジャケットに袖を通した時のスイングを取り戻すべく、父親と共にスイングの修正に取り組んだのである。

「彼が昔のフィーリングや、以前取り組んでいて忘れていたことを思い出させてくれたし、物事をとてもシンプルにしてくれたんだ」とシュワルツェル。

また、シュワルツェルはシェリル・カルダー博士と共に重点的にパッティングのアラインメントに磨きをかけてきた。

「練習時間の多くをグリーン上で過ごしてきたんだ」とシュワルツェル。「自分をもっと信頼できるようになったし、ラインを読む目も断然良くなったから、ボールがラインに乗るようになったんだ」。

この取り組みは功を奏したようで、今季シュワルツェルのヨーロピアンツアーにおける1ラウンドの平均パット数とパーオン時の平均パット数は共にトップ40圏内に入っている。2015年シーズンは両スタッツともトップ100圏外だったことを考慮すると、大きな進歩だ。

今季ヨーロピアンツアー2勝を挙げているシュワルツェルは、「アルフレッド・ダンヒル選手権」では2位に4打差、「ツワネオープン」では2位に8打差をつけており、優勝時の2位との差を通算すると、12ストロークにもなるのである。彼を除くと、今季これまで4打差以上をつけて優勝したのはマーク・リーシュマン唯一人である(彼は「ネッドバンクチャレンジ」を6打差で優勝している)。

「マスターズ」まで3週間となった今、今季初のメジャーへ向け、シュワルツェルは優勝候補の一角を占めるようになった。彼は現在、35歳以下の選手で、ヨーロピアンツアーで8勝以上し、メジャーで優勝している4選手のうちの1人である(この他にはマキロイ、カイマー、そしてウーストハイゼンがこの条件を満たしている)。

「オーガスタはいつだってとても心地よい感じのする場所だし、今回最高なのは、実のところ、僕が(自分の持ち玉である)フェードを取り戻したことなんだ。僕はフェードを打ちながら育ったのだけど、またフェードが打てるようになったし、あのコースではそれを武器に2打目でグリーンを狙えるんだ。これができるようになったのはとても重要なことなんだ」。