スリルあふれる最終日の末に「DPワールドツアー選手権」を制し、自身のキャリア初となるタイトル防衛を果たしたスウェーデンのヘンリック・ステンソンは、これまで逃し続けてきたメジャー制覇を視野に入れた。

ジュメイラゴルフエステーツでの最終日を「70」でラウンドし、通算16アンダーとしたステンソンが世界ランキング1位のロリー・マキロイ、「ライダーカップ」のチームメイトであるジャスティン・ローズとビクトル・デュビッソンに2打差をつけて優勝を飾った。

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さらに1打差の5位にはアイルランドのシェーン・ローリーが入り、世界ランクを50圏内に押し上げて、来年4月に開催される「マスターズ」デビューをほぼ確定させた。

この勝利により、ステンソンは「レース・トゥ・ドバイ」でマキロイから4981093ポイント差の2位に入ることが確定し、ボーナスプールの分配へ向け、獲得ポイントを7149503とした。

世界ランキングも2位まで上昇させ、38歳のステンソンは、「確かにいつか世界の頂点に立つことができたら素敵だけど、選べるのであればメジャー制覇の方を取りたいし、来年はそのメジャー制覇へ向け好調を維持したいと思っている」と述べた。

スペインのラファ・カブレラベローは残り7ホールの時点で2打差の首位に立っていたが、12番でボギー。16番と17番ではいずれもウォーターハザードにつかまり、2ホール連続でダブルボギーをたたいてしまった。

ステンソンもローラーコースター的な展開となったバックナインでトラブルに見舞われ、11番ではティショットをOBとしてカブレラベローに2打差のアドバンテージを与えたが、パー3の17番で5番アイアンによるみごとなティショットを見せ、タップインでバーディを奪って首位の座を奪い返すことに成功した。

マキロイとローズが18番のほとんど同じ場所からバーディパットを外した一方、デュビッソンは同じく18番でガードバンカーからのショットをあとわずかでホールインというところに寄せ、このホールをバーディとした。

「最高の気分だ」と、18番をバーディで締めくくったステンソン。「とにかく疲労困憊だね。今日は暑くて、バックナインはトリッキーだった。最高のプレーはできなかったし、11番はショッキングなホールになった」。

「あまりに多くのクラブを手にティグラウンドへ上がってしまい、結局クラブ選択を変更するのではなくそのまま2番アイアンでカット打ちをしようとしたら、プッシュしてスライスしてしまい、ほとんどシャンクするような形で一直線に建物へ打ち込んでしまった」

「あれには打ちのめされたけれど、僕はそこで諦めなかったんだ。しっかりと踏ん張って、何かが起こるのを待たなければならなかった。今年はあとちょっとというところで優勝を逃してきた。接戦だったけれど、粘っていれば最終的には何かが手に入るもので、今日はその通りになったね」

マキロイは18番で放ったティショットがクリークの中の岩に跳ね、大きく弾んでフェアウェイの真ん中へ転がり出る幸運に恵まれながらも、その幸運を活かせなかった。

ローズは終わってみれば、今週のスロースタートを後悔することになった。初日、10ホールを終了した時点で4オーバーとしており、木々の間を縫うみごとなエスケープショットを披露した15番で3ホール連続となるバーディを奪うも、17番と18番でバーディを奪い損ねていた。

「今週はずっと手探りで進む状況だった、木曜のスタートからね」とローズ。「今日はラウンド序盤ですべきことは全て果たしながらも、中盤にいくつかつまらないミスをしてしまった。あそこはとても苦しんだね」。

「でも概して言えば、多くのポジティブな面のある良い1週間だったよ。この大会は同じようにお粗末なスタート（出だし4ホールで4オーバー）を切りながらも優勝のチャンスがあった上海（での「BMWマスターズ」）にちょっと似ていたね。まあ、少なくともこれで、自分は良いプレーができていて優勝争いには絡めるということは分かったからね。そう簡単にいつも勝てるわけではないからね」

世界のトップ50入りを果たしたことについてローリーは、「それはこの最後の4大会をプレーする上での目標だったんだ。ここ1カ月ほどは52位から54位の間につけていたのだけれど、最後に良い結果を出してトップ50入りを果たせるだけのゴルフはできていると感じていたんだ」と述べた。

「ただスコアをまとめることができずに15位から25位という順位で大会を終えていたんだ。今週の好成績でトップ50入りを果たすことができるから、来年の4月が待ち切れないね」