サム・ホースフィールドって誰?
「ケルティッククラシック」でヨーロピアンツアー2勝目を挙げた23歳の新鋭、サム・ホースフィールドについて知っておくべきことは以下の通り。
少年時代
ホースフィールドはわずか5歳にして、家族とともに休暇で訪れたフロリダにて初めてゴルフクラブを握った。ジュニア用レンタルクラブでプレーしたサム少年は、「167」でラウンドした。当時のスコアカードは、今でも彼の幼少期に家族で英国から移住したフロリダの実家に飾ってある。
ホースフィールドは9歳になると、とんでもないロースコアを出すようになった。彼はパインハーストで開催された「全米キッズジュニアワールド」で「63」をマークするも、1打差で敗れている。
その4年後、ホースフィールドは13歳の時にハイランドリザーブGCで人生初の「59」をマークした。
イアン・ポールターとの出会い
2011年、当時14歳だったホースフィールドは初めてイアン・ポールターと彼のキャディであるテリー・マンディに出会った。そして「ライダーカップ」のレジェンドは、すぐさま魅了された。
当時、ポールターは、「彼は僕がこれまで一緒にプレーした中で最高の若手プレーヤーだ」と述べた。
「イアンとは僕が14歳のとき、初めて会ったんだ」と、ホースフィールドは彼らの関係について、昨年のプレーヤーズブログで書いている。
「僕はイアンとの共通の友人を介して、彼のかつてのキャディで現マネジャーであるテリー・マンディを紹介してもらったんだ。僕らは、レイクノアで初めて9ホールを一緒にプレーしたんだ。周りの人は、その日は僕の方がイアンより良いプレーをしたと言うんだ。かなり前のことなので、それについては覚えていないけれど、楽しい時間を過ごし、すぐに仲良くなったことは覚えているよ」
しばしばポールターの弟子と呼ばれるホースフィールドは、その後も彼と近しい関係を継続させ、今ではマンディがマネジャーを務めている。
輝かしいアマチュア時代
ホースフィールドは16歳にして、史上最年少で2013年の「フロリダ州アマチュア選手権」を制覇し、キャリアの序盤で早くも注目を集める存在となった。
フロリダ州立大学で大学選手としてキャリアをスタートさせた2015年に「ウォーカーカップ」で代表チーム入りを果たすも、個人的な理由のため大会を欠場した。
その後、大学で2年間過ごした彼は、その間4勝を挙げ、これには同じく現在ヨーロピアンツアーのプロとしてプレーするジョン・ラームとショーン・クロッカーがフィールドに名を連ねた2016年「南ハイランド大学マスターズ」での優勝も含まれる。
また、2016年はマンディがバッグを担いだ「全米アマチュア選手権」でベスト16入りを果たした。
Qスクールでの勝利
2017年にプロへ転向したホースフィールドはその年、初めてヨーロピアンツアーのQスクールに挑んだ。
第2ステージこそ奮闘を要したが、最終ステージで圧倒的なプレーを見せ、6ラウンド連続で60台をたたき出して通算27アンダーとし、2位に8打差をつけて圧勝した。
コースレコードとロースコアの歴史
わずか10代前半で50台をマークしたホースフィールドは、今も引き続きロースコアをたたき出しており、そのいくつかはここ数カ月で記録している。
ここ3カ月間、ホースフィールドはスティームソングブラックで「59」をマークすると、チャンピオンズゲートCCでは「58」をマークし、クローズハウスでの「ベットフレッドブリティッシュマスターズ」ではコースレコードタイの「61」をマークしている。
初優勝
ホースフィールドは、ヨーロピアンツアー出場65大会目だった「ヒーローオープン」を1打差で制覇し、ツアー初優勝を遂げた。
フォレスト・オブ・アーデンでの最終日を1打差の首位で迎えたイングランド人選手は、トーマス・デトリーとの接戦を制した。
土曜のハーフターン時に6打差の首位に立っていたホースフィールドは、最終日も大部分を首位でプレーするも、17番でバーディを奪ったデトリーに先行を許した。
しかしながら、ベルギー人選手が最終ホールでのパーセーブに失敗したのに対し、ホースフィールドはパー5の17番でバーディを奪うと、18番を2パットのパーとし、最終日「68」をマークして通算18アンダーでフィニッシュした。
「これは特別」とホースフィールドは述べた。「1週間を通してソリッドなプレーをし、多くのチャンスを築いて、優勝に足りる分だけ決めることができた」
「17番ティにいた僕とキャディは、“ここまでトライしてきたのだから勝ち切ろう。今日一日、そして今週ずっと良いプレーをしてきたし、ここまで数多くの良いショットを打ってきたのだから”と話していたんだ。17番で、恐らく人生で一番良いショットを打ち、それが奏功したね」
「ケルティッククラシック」でツアー2勝目
UKスイング第4戦の2020年「ケルティッククラシック」を制覇したホースフィールドは、ヨーロピアンツアー史上初めて優勝直後の大会で予選落ちを喫しつつ、その次の大会で再び優勝を遂げた選手となった。
ケルティックマナーリゾートを襲った雷雨により2時間の中断を強いられたことで、ホースフィールドが2020年「レース・トゥ・ドバイ」初の複数回王者となるパットを沈めたときは日没が迫っていた。
最終日を首位のコナー・サイムと1打差でスタートしたイングランド人選手は、3番で首位に立つと、その後は首位の座を譲ることなく、ノーボギーの「67」でラウンドし、トーマス・デトリーに2打差をつけて優勝した。
23歳はこの勝利により、UKスイングのミニポイントランキングで首位に浮上するとともに、「レース・トゥ・ドバイ」ランキングでもトップ10圏内に浮上し、さらに公式世界ゴルフランキングも自身最高となるトップ100圏内に浮上した。