欧州男子ツアー

パフォーマンス向上のヒント「 腰部屈筋ストレッチ」

2020/04/02 07:08
タイガー・ウッズも入念にストレッチ(※写真は2012年全米オープン)

<ヨーロピアンツアーパフォーマンス機関の理学療法士、ナイジェル・ティレイが教える腰の可動域を広げるストレッチ>

腰を動かせるようにする

腰はゴルフスイングにおいて、体の中でとても重要な部位です。腰には、スイング全体を通して、可動域の広さとともに、力と安定性が求められます。しかしながら、現代的なライフスタイルでは、自宅、職場、あるいは移動の際に座った姿勢でいる時間が長くなっています。これにより、腰部前方の筋肉や組織の動きが制限され、縮みやすくなります。腰の可動域を広げるには、色々な運動が有効です。今回は「腰部屈筋ストレッチ」を紹介します。

効用

定期的に足腰をストレッチすることで、ゴルフスイングの向上はもとより、ウォーキングといった腰部全体の伸長を必要とする一般的なアクティビティにも良い効果をもたらします。腰部屈筋には、大腿四頭筋(太腿前部の筋肉)と、股関節と骨盤及び脊椎回りを繋ぐ腰部前方深部の筋肉が含まれます。このタイトな部位を定期的にストレッチすることで、長時間座る姿勢による影響を軽減させることができます。

ゴルフへの恩恵

腰部前方と太腿の構造が固まり動きが制限されると、骨盤の位置が変わってしまうことが多々あります。これは、ゴルフのセットアップ、アドレス時の姿勢、そしてゴルフスイングの動作、更には腰椎にかかる圧力にも影響を与えます。腰部の可動域を広くすることで、ゴルフスイングの動きの幅や技術的な面が向上するほか、通常のラウンドで1万歩以上のウォーキングの質も改善させることができます。

このストレッチは、通常のフィットネストレーニングとしても行えますし、ウォームアップとしても有効です。これはヨーロピアンツアーのプロたちがツアーで実践しているのと同種のエクササイズです。

腰部屈筋ストレッチ

膝立ちになるので、柔らかいマットを用意してください。長い発砲ローラー、あるいはゴルフクラブを使い、両手を上に置きます。両手で徐々にローラー/クラブを地面へ押し込むよう加圧し、体幹の筋肉が連動していることを感じます。この運動をしている間は、下方への加圧と体幹の連動を維持してください。その上で、膝をついている側の臀部の筋肉を収縮させます。

この動きを維持したまま、同じ側の腰部をローラー/クラブに向けて前方へ押し込みます。これにより、膝をついている側の太腿と腰部前方が伸びているのが感じられます。この姿勢を3~5秒間維持した上で、最初の位置へ戻りリラックスします。この動きを3~5回繰り返します。慣れてきたら、ストレッチした姿勢で維持する病数を徐々に長くしましょう。両足を交互に行うようにしてください。