2020年 オマーンオープン

完全復活を見据えるカイマー

2020/02/27 08:30
かつての世界NO.1が復活を見据える※写真は2015年「アブダビHSBCゴルフ選手権」(Ross Kinnaird/Getty Images)

今週の「オマーンオープン」で大会デビューを飾るマルティン・カイマーは、好スタートを切った2020年の「レース・トゥ・ドバイ」で、現在の好調を維持させたいと考えている。

今季これまでの3大会で連続してトップ20入りを果たしているドイツ人選手は、ここ2シーズンの一定したパフォーマンスを、世界最高まで上り詰めた2000年代初頭の調子に転換させることを目論んでいる。

彼はこれまで、「レース・トゥ・ドバイ」を制覇し、メジャーで2勝を挙げたほか、公式世界ゴルフランキングで頂点に君臨し、2012年には欧州代表に勝利をもたらすパットを決めて“メダイナの奇跡”を完結させるなど、既にどの時代においても色褪せない輝かしいキャリアを送ってきた。

しかしながら、35歳は2014年の「全米オープン」制覇以降、勝利から遠ざかっており、昨春は世界のトップ200圏外へランキングを落としそうになった。

ドライバーの弾道を変えてティショットの飛距離を伸ばしたカイマーは、現在パッティングに対する意識を高めており、今週のアルモウジゴルフでの大会からは、頂点に返り咲くための取り組みに焦点を当てている。

「ここ2、3年、僕は単に流れに身を任せていて、ちょっと自分のゴルフを軽く見ているところがあった」とカイマー。

「僕は特定のことに対して練習してこなかったのだけど、ここ数年はグリーン上で打数を失ってきたので、自分の弱点がどこにあるのかは明白だった。僕は3、4メートル以上のパットを決めることができなかったので、良いスコアを出すことができず、それ故、日曜にチャンスを残すことができていなかったんだ」。

「冬の間、僕はショートゲームに重点を置いて取り組んできたし、自分の自然なショットを台無しにすることなくドライバーの飛距離も伸ばしたいと思っていたので、それには計画作りとコーチとのコミュニケーションが必要だった」。

「こうしたことには、勇敢に当たらなければならいんだ。何かを変えようとするのは簡単だけど、すぐに効果が表れるわけではないので、自分の古いやり方に戻ってしまうことが多いんだ」。

「僕に関しては、どちらかと言うと原因はそのプロセスを継続するメンタリティにあって、僕は他にも得られるべき成果を知っていたので、ここ2年はそのやり方が上手くいかなった。僕は更に完璧な選手になり、再び大会で勝つ上で、何かを変えたいと思っていたし、変える必要があると思っていた」。

「本当にあのフィーリングが恋しいね。今年、僕にはとても良いプランがあるし、『ライダーカップ』、五輪、『マスターズ』、そして『全英オープン』といったビッグイベントの出場権獲得を狙っているんだ。僕はこれまで、それら全ての大会に出場してきたけれど、今年に関しては出られる状況ではないので、挑戦し達成するのを楽しみにしている」。

「これは胸躍ることなのだけど、今はまだ自分のゲームがどのレベルにあるのか、教えられないんだ。正しいことをしているのは分かっているのだけど、とにかく我慢して、自然とそうなるのを待つしかないんだ。全てにおいて正しいことに取り組んでいるし、練習ラウンドで『63』をマークしているので、期待値はかなり高いけれど、あとは大会でそれをやらなければいけないね。まあ、時間の問題さ」。

2014年には「全米オープン」を制してメジャー2勝目を挙げた

また、カイマーは長年彼のバッグを担いだキャディのクレイグ・コネリーと3度目のコンビを結成したのだが、ツアーでザ・ウィーマンの愛称で知られるスコットランド人キャディと再びタッグを組むことにカイマーは喜びを感じている。

「良い時も悪い時も一緒にいた人が、また見つかるというのは良いものだね」とカイマー。「実際は良い時の方が多かったね。というのも、僕らは2010年から一緒に仕事をし始め、僕はそこから何年か良い時期を過ごしたから。彼は人としての僕を本当に良く理解しているんだ」。

「より大切なのは、人間性であり、自分や自分のゴールを理解し、仲良くやれる人を探し出すことなんだ。彼はそれを理解しているし、僕の能力を知っているから、僕が(自分の力を)忘れたとき、それを気付かせてくれるのは良いことだよね」。

「僕らは自分たちができていないことについてフォーカスしがちだけど、時として、自分がこれまでのキャリアで何を成し遂げ、どれくらい良い選手であるかを気付かせてくることが必要になるんだ。彼はとても前向きな人で、それは僕にとって大いに助けとなってきたんだよ」。

2020年 オマーンオープン