ヴィースベルガーがローマでロレックスシリーズ制覇の栄冠に輝く
ベルント・ヴィースベルガーが「イタリアオープン」で優勝、2度目の「ロレックスシリーズ」制覇を達成するとともに、2019年「レース・トゥ・ドバイ」での3勝目を挙げた。
最終日を首位で出たイングランドのマシュー・フィッツパトリックを3打差で追ったオーストリアのヴィースベルガーは、6バーディ、ノーボギーの「65」をマークし、通算16アンダーとしてフィッツパトリックに1打差をつけて優勝した。
ヴィースベルガーは手首の故障により、2018年シーズンの後半7カ月間を棒に振っており、5月の「メイド・イン・デンマーク」でヨーロピアンツアー5勝目を挙げた際、既に今季ツアーの大きな話題となっていた。
その後、夕暮れのプレーオフで栄冠に輝いた「アバディーンスタンダードインベストメント スコットランドオープン」で「ロレックスシリーズ」初制覇を遂げたヴィースベルガーは、「レース・トゥ・ドバイ」の首位に躍り出たわけだが、今回「ロレックスシリーズ」の複数回王者としてジョン・ラーム、アレックス・ノレン、ジャスティン・ローズ、そしてダニー・ウィレットの仲間入りを果たしたことで、再び年間レース首位の座に返り咲いたのである。
また、34歳は公式世界ゴルフランキングをキャリアハイとなる22位まで押し上げ、2020年「ライダーカップ」での大会デビューの可能性を大きく広げた。
「僕にとって素晴らしい夏だった」とヴィースベルガー。「良いゴルフをたくさん見せてきたし、昨年の怪我からカムバックして以降、大きな前進を遂げることができた」
「今年はこれで3勝目だけど、どの勝利もとにかくその時々を楽しむという点で同じだったし、数々の素晴らしい大会から棄権することの厳しさを知っているので、試合では常に前向きでいられたんだ」
「アイルランド、スコットランド、そしてここと、然るべき大会でとても良いプレーができ、『レース・トゥ・ドバイ』で首位に立つことができた。最後の4大会へ向け興奮している」
フィッツパトリックにとっては、2019年シーズンで4度目の2位となり、「レース・トゥ・ドバイ」ランキングを4位に上げた。終盤戦でヨーロピアンツアーでの5季連続にしてキャリア6勝目を狙うことになった。
「ちょっと馬鹿げた感じだね」とフィッツパトリック。「1打差の負けには、もちろんかなりがっかりしている」
「日曜に優勝争いしているときは、良いプレーができているのだけど、他の選手が我慢強くプレーしているので、追う立場になっている。つまりは、そういうこと。素晴らしい週ではあったけれど、僕は数字を残しにここへ来ているのではなく、勝つために来ているんだ」
3位には「71」をマークし、通算12アンダーとした米国のカート・キタヤマが入り、さらに1打差の4位タイにはイングランドのアンドリュー・ジョンストン、スコットランドのロバート・マッキンタイア、そしてもうひとりのオーストリア人、マティアス・シュワブが入った。
フィッツパトリックはティショットをミスした1番でパーをセーブすると、パー3の2番ではティショットをピン側2.1mにつけ、この日最初のバーディを奪ってリードを2打差に広げた。しかし、その後6ホール連続パーとしたことで、ヴィースベルガーにリーダーボードを駆け上がるチャンスを与えた。
ヴィースベルガーは5番でのロングパットを皮切りにチャージをかけた。ピンそば1.5mにつけた6番と6mのフックラインを読み切った7番でもスコアを伸ばして、3連続バーディとすると、パー5の9番でもバーディを奪って首位に並んだ。
一方、フィッツパトリックは折り返しでティショットをOBとし、ダブルボギーをたたいてヴィースベルガーに2打差をつけられ、首位の座を明け渡した。
この後、ヴィースベルガーは11番と12番で賢明なパーセーブを見せてその差を維持すると、14番ではティショットを4.5mにつけてバーディを奪い、リードを3打とした。
フィッツパトリックも13番でピンそば2.4mにつけるバーディで応戦するも、パー3の16番でティショットを1.8mにつけてバーディとしたヴィースベルガーに、再び3打差とされた。
フィッツパトリックはパー5の15番でバーディを奪うと、17番でも2パットのバーディを奪って1打差まで詰め寄ったが、最終ホールではスコアを伸ばせず、勝負をプレーオフに持ち込むには至らなかった。
既にルーキーシーズンで2勝を挙げているキタヤマは2バーディ、2ボギーのラウンドで、「サー・ヘンリー・コットン・ルーキー・アワード」(欧州ツアー新人王)獲得へ向け、マッキンタイアとの差を縮めた。
キタヤマは今回の3位で「レース・トゥ・ドバイ」ランキングを15位に上げた。3バーディ、3ボギーの「71」をマークしたマッキンタイアは年間ランクで7位につけている。
「66」をマークしたシュワブはボギーを1つとし、ジョンストンは3番でボギーをたたきながらも4バーディを奪って「68」をマークした。
通算9アンダーの7位タイには、地元イタリアのフランチェスコ・ラポルタ、インドのシュバンカー・シャルマ、そしてイングランドのマット・ウォレスが入った。