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小林至博士のゴルフ余聞

コロナウイルス禍の日本の風景、そしてアメリカの大衆医療制度ルポ

2020/03/25 07:20

本稿、コロナ禍を報じるテレビをかたわらに綴っている。私のスケジュールは真っ白だ。大学が春休みになる3月は、講演やシンポジウム、年度末の各種行事など、けっこう忙しくしているのが例年で、今年もそのはずだった。ましてやこの4月から、2019年度まで在籍した江戸川大学を離れ、桜美林大学へと籍を移すため、歓送迎会、研究室の引っ越し、諸手続きなどなど、いつもとは異なるイベントも目白押しの予定だった。それが、卒業式も、入学式もなくなり、授業開始すら4月末へと延期となっている。いま、できることは限定的である。

先月のコラムで、こんなときは、巣ごもりもいいが、健康なヒトは肉体と精神を健全に保つためにも、ゴルフに行こうではないか、と提案してみたが、私のようなものが言うまでもなく、世の中はそうなっているようだ。

行きつけの練習場は、平日の昼間とは思えない混雑だ。小さな子供連れの若いお父さん、お母さんが多いのは、このご時世ならではだろう。スタッフによれば、周辺のゴルフ場も盛況らしい。近くのショッピングモールも、小中高生、学生を中心にかなりの賑わいで、こうしたローカルな光景を見る限りにおいては、先月のコラム執筆時に比べて、日本のパニックはピークアウトしているようにもみえる。

もちろんこれはあくまで私の身の回りで起こっているルポに過ぎず、ウイルス禍はピークアウトをするどころか、世界中に拡散し、WHOがパンデミックを宣言するに至っているのはご承知のとおりである。

とりわけ心配なのがアメリカだ。アメリカは、世界最先端の英知が集まる国であり、医療もその例外ではないが、こと大衆医療に関する限り、先進国とはとても思えないほどお粗末なシステムだ。大統領選挙でも毎回、争点のひとつになっているが、7年間そこで暮らした私は、庶民が医療サービスを受けることが決して簡単ではないことを、身をもって知っている。

アメリカには国民皆保険制度がない。そのため、民間保険会社が運営する医療保険に加入することになるのだが、これが家族4人で月10万円払う「中の上」クラスのものであっても、保険会社が指定した内科医の許可なしには専門医にかかることもできない契約内容となる。もちろん保険のあてなく専門医にかかることもできるが、それには10万円単位の出費を覚悟しなければならない。手術でもしようものなら100万円単位だ。

新型コロナウイルスとの闘いは、未知の脅威への対処であり、今後どのような展開になるかはわからない。しかし、世界を俯瞰してみると、日本が、新型コロナウイルスの潜在的リスクに対して、被害を最小限で食い止めることができていることは事実だろう。それは、日本の医療制度が、国民の大多数にとって非常に恵まれていることと無関係ではないと思う。こんなときこそ噛み締めたい。不安の根源に十分、向き合える社会制度のもとに私たちは住んでいる。

まるでトランプ大統領の演説のように聞こえるかもしれないが、先に指摘したような様々な問題を抱えながらも、アメリカがいまなお世界一の大国として君臨している事実は確かにある。未来への希望と楽観がもたらすレジリエンスだろう。その精神は大いに見倣いたいと思う。(小林至・江戸川大教授)

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小林至(こばやし・いたる)
1968年生まれ。江戸川大学教授、博士(スポーツ科学)。92年、千葉ロッテにドラフト8位で入団。史上3人目の東大卒プロ野球選手となる。93年退団。翌年からアメリカに在住し、コロンビア大学で経営学修士号(MBA)取得。2002年から江戸川大学助教授となり、05年から14年まで福岡ソフトバンク球団取締役を兼任。「パシフィックリーグマーケティング」の立ち上げなどに尽力。近著に『スポーツの経済学』(PHP)など著書多数。

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