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小林至博士のゴルフ余聞

新型肺炎によるスポーツイベント自粛を経済学的に考察

2020/02/25 17:00

世界中で感染が拡大している新型コロナウイルス、その影響がまったくないという方は恐らくいないだろう。私が理事を務める大学スポーツ協会でも、予定されている幾つかの行事について、今後の動向を注意深く見守りながら、都度、判断していくことを確認した。ゴルフ界でも大会の中止、延期が相次いでいる。それも、感染源の中国に近く、乾燥して感染しやすいと思われる地域ばかりでなく、タイやマレーシア、シンガポールなど高温多湿で、一般的にはウイルス感染しにくい環境での試合も中止となったことは、この未知のウイルスに対する恐怖の高さを物語っている。早期の収束を願うばかりである。

一方で、自粛しすぎることによる経済の萎縮を心配する声も高まっている。「合成の誤謬」という言葉がある。ミクロの視点では正しいことも、合成されたマクロの世界ではそうならないことを指す経済学の用語。コロナウイルスへの対応はその典型だ。実際、テレビのワイドショーではエコノミストが、ヒト・モノが動かなくなることによる経済的な打撃は、東日本大震災と同じくらいになるかもしれないと予言していた。

これが大袈裟な話とは言い切れない。アリババのCOOは、コロナウイルスが「ブラック・スワン」になる可能性を指摘していた。ブラック・スワンとは、元ヘッジファンド運用者による同名著書で説明している考え方。従来、全ての白鳥が白色と信じられていたのが、オーストラリアで黒い白鳥が発見されて、鳥類学者の常識が大きく崩れた。このことから、確率論や従来の知識や経験からでは予測できない極端な事象が発生し、人々に多大な影響を与えるという理論である。

リーマン・ショック以来、株価はほぼ一本調子で上がっており、そろそろ何かが起こるのではないかと市場関係者の多くが思っていることも、コロナウイルスがブラック・スワンではないかとの不安を高めている。

経済のかなりの部分が無駄で成り立っていることは、直感的におわかりだろう。GDPは付加価値の総和である。無駄が削ぎ落され、すべてが効率化された世界は誰も儲からない。大量生産、大量消費こそが経済の原動力であるとしたアメリカ発の資本主義経済は、持続可能な循環型経済を是とする現代では、昔話と捉えられがち。いまだにリアルなものづくりを声高に主張するアメリカのトランプ大統領は嘲笑の対象になりがちだが、一定の理があるということだ。

いずれにせよ、イベントなどをキャンセルし、テレワークにするのは、疑いなく経済の萎縮になる。日本人は、リスク回避の性向が、遺伝子的、文化的、風土的に強いといわれているから、なおさら、そうなるのかもしれない。とはいえ、萎縮してばかりもいられない。そこでゴルフである。報道などを総合すると、コロナウイルスの感染経路は、飛沫感染と接触感染が主で、対策として密室や集団を出来るだけ避ける、快食快眠、適度な運動で免疫力を高めることとある。ゴルフプレーはぴったりではないか。自粛ムードのなか顰蹙(ひんしゅく)を買う恐れもあるが、そんな噂が口コミで広がるようなバズ・マーケティングをゴルフ業界が仕掛けてみてはどうか。ただしその戦略会議は“テレカン”(電話会議)が良いかもしれない。(小林至・江戸川大学教授)

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小林至(こばやし・いたる)
1968年生まれ。江戸川大学教授、博士(スポーツ科学)。92年、千葉ロッテにドラフト8位で入団。史上3人目の東大卒プロ野球選手となる。93年退団。翌年からアメリカに在住し、コロンビア大学で経営学修士号(MBA)取得。2002年から江戸川大学助教授となり、05年から14年まで福岡ソフトバンク球団取締役を兼任。「パシフィックリーグマーケティング」の立ち上げなどに尽力。近著に『スポーツの経済学』(PHP)など著書多数。

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